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《さわやかマナー》


より良い人間関係と信頼される企業を目指して


コンピュータ・ソフトウェア業界は、国・地方自治体、各種団体をはじめ全国のあらゆる企業の情報化を推進することを担う中心的な業界として発展し続けてまいりました。 これらのお客さまからの受託業務を通じて、当業界はさまざまな情報を扱っており、特にお客さまの機密情報や個人情報の漏えいは企業の存続を危うくするおそれもあります。 「個人情報の保護に関する法律」(平成17年4月全面施行)に基づき、お客さまからお預かりした情報の管理を徹底することはもとより、社内の情報も社外に漏れることがないよう細心の注意をはらうことが大切です。 このような背景のもと、将来にわたりお客さまからあなたの会社を選択しつづけていただくためには、私たち一人ひとりが「企業倫理の遵守」「情報セキュリティの徹底」「セクシュアルハラスメント等の未然防止」に努めることが重要です。 このテキストは、このような目的で作成しました。内容を熟読し、実践されるようお願いします。 明るく実りある職場生活を送り、お客さまに喜ばれ、信頼される社員を目指して共に頑張りましょう。

JISA社団法人情報サービス産業協会

目次

  • Ⅰ.職場のマナー
    • 1.出社から退社まで
    • 2.良い仕事をするために
    • 3.楽しい職場にするために
  • Ⅱ.お客さまへのマナー
    • 1.はじめに
    • 2.会話のマナー
    • 3.応接のマナー
    • 4.電話のマナー
    • 5.社外文書の作成
    • 6.電子メールのネチケット
    • 7.苦情・クレームの対応
  • Ⅲ.職場におけるハラスメントの防止対策
    • 1.はじめに
    • 2.男女平等の職場環境づくり
    • 3.パワハラの起きる背景と問題点
    • 4.社員行動指針
    • 5.相談・苦情窓口
    • 6.行為者に対する社内での措置と責任
  • Ⅳ.企業倫理の遵守と情報の保護
    • 1.はじめに
    • 2.企業倫理遵守に関する「行動憲章」と行動のチェック
    • 3.情報セキュリティ
    • 4.個人情報の保護
    • 5.不正アクセスは犯罪行為
  • Ⅴ.社会生活のマナーとルール
    • 1.はじめに
    • 2.人権を尊重する
    • 3.正しい金銭感覚を持つ
    • 4.楽しく飲酒をするために
    • 5.自分の身体を大切に
    • 6.その他のトラベルを起こさない
  • 巻末資料






Ⅰ. 職場のマナー

1. 出社から退社まで

朝起きてから、出社、就業、昼食時間、退社、帰宅まで、会社生活では、実に多くの守るべきマナーが存在します。時間を守ること、無断で勝手な行動をとらないといった基本的なマナーから、身だしなみを整える、使った物は後片付けするといったマナー・エチケットに関することまで会社の一員であることを自覚して、実行しなければまりません。「まあ、いいや」といった甘えた気持ちでは社会人としては失格です。職場と日常の生活とは明確に区別して、仕事に臨みましょう。

この章では、社会人として基本的なマナーをはじめ、より良い職場環境をつくるための指針、充実した仕事を行うための方法を紹介しています。繰り返し読んで社会人としてのマナーをしっかり身につけましょう。

(1)仕事にかかるまで

○ 無断欠勤をしない

無断欠勤は重大な違反行為です。無断欠勤をすると、同僚による仕事のカバーをはじめ、居場所の捜索など同僚や会社に多大な迷惑をかけます。このため懲戒処分の対象になります。病気や事故などで上司に連絡が取れない場合でも、可能な限りすみやかに連絡しましょう。

○ 始業時刻を守る

遅刻や滑りこみをしないよう、始業時刻には仕事に取りかかれるように余裕をもって出勤しましょう。

○ 休暇・遅刻は事前に連絡を

休暇をとる場合は、事前に上司に届け出ましょう。通勤途上の電車・バスなどの事故・トラブルなどによって、やむを得ず遅刻しそうな場合や休む必要が生じた場合は、すみやかに電話などで上司に連絡をしましょう。

○ 挨拶をする

出勤途中や社内で上司や先輩、同僚などに元気良く「おはようございます!」を挨拶をしましょう。

○ 身だしなみを整える

髪型、服装など仕事に取りかかる前に身だしなみを整えましょう。

(2)勤務中は

○ 仕事は段取りが大切

毎日の仕事の段取りを効率的に計画し、テキパキと確実に処理できるよう準備をしましょう。

〇月〇日  予定

9:00 課内ミーティング 第1会議室

11:00  東京電器中央営業所 訪問

12:00  昼食

13:30  鈴木商事(株)訪問

14:30  川田電機訪問

16:00  営業会議

17:00  伝票処理

○ 会話は短く、私語は慎む

仕事上の話は迅速・的確に済ませ、私語や雑談は控えましょう。また、私用の電話は手短に済ませましょう。

○ 休憩時間のケジメをつける

歯磨き・化粧直しなどは休憩時間内に済ませ、就業時間ときっちりケジメをつけましょう。

○ 廊下・エレベーター・トイレでは静かに

事務所内では静かに歩き、廊下やエレベータ内では立ち話を慎みましょう。トイレ内での噂話は禁句です。

○ 備品・用具の取り扱い

会社の備品や用具、消耗品は大切に扱いましょう。また、共同で使うものは、使ったらもとの場所に戻しておきましょう。

(3)会議・研修に参加するとき

○ 時間厳守、遅れるときは事前に連絡

定刻の5分前には必ず席につくようにしましょう。また、遅刻や欠席する場合には必ず事前に主催者へ連絡しましょう。

○ 行き先、時間を知らせる

会議・研修に出席する際は、必ず件名、会場、終了予定時刻、連絡先を告げておきましょう。

○ 忘れ物のテェック

筆記用具、必要な資料など忘れ物がないか確認しましょう。

(4)離席・外出するとき

○ 自分の行き先を明らかにする

席を離れるときは、行き先、要件、所要時間などを上司に告げてから席を外しましょう。また、私用の際は許可を得ましょう。

○ 長い間離席する場合は

不在中に電話や来客がありそうなときは上司、同僚に対応をお願いしていきましょう。

また、パソコンの電源は切断(OFF)していきましょう。

○ 机の上を片付ける

書類や文房具を片付け、椅子もキチンと引いておきましょう。

○ 予定が遅れたら連絡を

外出中に事故が起きたときや、帰社予定時刻よりも遅れそうなときは必ず連絡しましょう。

○ 帰社時のチェック

帰社したら、その旨を上司に報告し、留守中に要件がなかったか確認しましょう。

(5)退社するとき

○ 後片付けをキチンとする

書類や文房具を片付け、椅子もキチンと引いておきましょう。

○ 仕事の予定を確認する

今後の仕事の予定を確認し、明日の仕事の段取りをメモしておきましょう。

○ 退社前の点検

退社する前にOA機器の電源、戸締まり、火の元、消灯などを点検しましょう。

○ 挨拶をする

退社するときは、職場の人に「さようなら」「お先に失礼します」と大きな声でハッキリと挨拶してから帰りましょう。




2. 良い仕事をするために

「仕事の基本は“ホウレンソウ”(報告・連絡・相談)にあり」とよく言われます。

“ホウレンソウ”を的確に行うことで、上司は部下の仕事の進捗状況を把握でき、必要に応じてアドバイスを与えられます。また、トラブル発生時には会社として迅速・的確に対応することができます。したがって“ホウレンソウ”は、社員一人ひとりが“会社の代表”として、より良い仕事をするための不可欠なキーポイントです。

ここでは、仕事の指示を受けてから、実行の計画を立て、相談し、連絡・報告するという一連の流れの中で気をつけるべきポイントと心がまえを紹介します。

(1)指示を受けるとき

○ 挨拶をしっかりする

名前を呼ばれたら「ハイ!」と返事をし、立ち上がりましょう。

○ メモをとる

指示を受けるときはメモをとる習慣をつけましょう。メモ用紙や筆記用具は身近におくことも大切です。

○ 指示はしっかり理解する

指示は最後まで聞き、その上でわからないことがあれば質問し、要点を復唱・確認しましょう。

指示を受けるとき5W1Hの6つのポイントを確認しましょう。

①いつまでに(期日・時間)……………………………When

②だれが(自分だけか、協力者はいるか)……………Who

③どこで(場所)…………………………………………Where

④なにを(要件の内容)…………………………………What

⑤どういう理由で(目的・意義)………………………Why

⑥どのように(処理方法)………………………………How

○ 仕事の優先度

急いでしなければならない仕事があるときに、別の急ぎの仕事を頼まれた場合は「できません」ではなく、どちらを優先するか上司に相談しましょう。

(2)実行するとき

○ 時間配分を考える

1日の就業時間は限られています。1日の予定をしっかり立て、緊張感をもって行動しましょう。また、公私の区別をハッキリさせ、私的なことを職場に持ち込まないようにしましょう。

○ 仕事は「ホウレンソウ」から

仕事の基本は「ホウレンソウ」、すなわち報告・連絡・相談です。業務の遂行にあたっては、まず事前に「相談」があり、業務の進捗状況についての「連絡」をし、完了したら「報告」をします。この「ホウレンソウ」がうまく機能することで会社組織がスムーズに働き、上下関係のコミュニケーションギャップが埋められます。

(3)報告するとき

○ 結果の報告

・ 期限付きの仕事や重要な仕事は、終わり次第、口頭または文書で報告する

・ 長期間の要する仕事は途中で中間報告をする。

・ 報告は、結論から、次に重要な点から報告する

・ 記録を残した方が良いと思われる仕事は文書で報告する

○ 報告文書についての注意点

・ どんな書類も社外に持ち出さない。やむを得ず持ち出すときは、その保管責任者の許可を得る。

・ 書類は自分で勝手に保管しない。机や本棚にしまい忘れないようにする。

・ 処理が終わった書類は、できるだけ早くファイルする

・ 記録、証処などの必要書類は所定期間保存しておく

(4)失敗したとき

○ まず報告する

失敗やミスをしたと思われるときはすみやかに上司に報告してください。個人の失敗も社外から見れば会社の失敗です。また、上司から見れば部下の失敗は上司の責任でもあります。「叱られる」と思って黙っていると、会社の信用をなくしてしまいます。

○ 失敗の判断基準はどこにあるか。

たとえ担当者レベルでは許されるミスでも、会社間のレベルでは大きな問題になる場合があります。自分では失敗と思っていないようなささいなミスでも、会社の信用を落としかねない重大な問題となる場合もあります。どんな小さなミスも勝手に判断せず、上司に素早く報告して、指示を仰いでください。

こんなときも報告を忘れずに

・ 約束の時刻に遅れた

・ 資料を忘れた

・ 間違えた資料を渡してしまった

○ 注意と反省

注意は素直に受け入れ、二度とミスをくり返さないように心がけましょう。原因を突き止め、対策をたてることが大切です。

○ 失敗は成功のもと

一度の失敗で自信を失ってはいけません。失敗は成功のもとと前向きに考えましょう。

○ 責任転嫁をしない

他人に責任をなすりつけるのは社会人として失格です。「仲間が協力してくれないので」と相手を責める前に、どうして協力してもらえないのか自問しましょう。

○ 失敗の報告は素早く、成功は後でしっかりと

失敗したときは、上司に報告しづらいものですが、トラブルを最小限に食い止めるためにも、一刻も早く報告することが大切です。一方、成功したときはすぐに報告したいと思うものですが、しっかりまとめてから報告しましょう。

(5)自己啓発のすすめ

情報サービス業界では、お客さまニーズの高度化、多様化が著しく、改善・改革を行わなければ同業他社との競争に負けてしまいます。この競争に負けないためには、情報技術の進歩やお客さまの業容を踏まえ、幅広く知識・技能を深めることが大切です。そのためには目標を立て、研修に参加するなど、自己啓発に努めてください。

○ 自分を高める機会を積極的につかみ磨く

□ 職務に関係する各種資格を計画的に取得する

□ 企画力、創造力を身につける

□ プレゼンテーション能力を高める

□ 外国語(英語など)の語学力を身につける

○ 次の機会を逃さない

□ 社外の勉強会、研究会に積極的に出席する

□ 研修の講師、指導員を頼まれたら臆せずチャレンジする

□ 海外研修、海外視察のチャンスは逃がさない

○ 情報収集のためのアンテナ高く掲げる

□ 1~2の新聞、雑誌を読んで情報を得たと安心しない

□ データの中から別の情報源を探し自分で確かめる

□ 職務に関連する業界の情報を意識的に集める

□ 集めた情報を効果的に整理し活用する

○ 肩書きを外した本当の自分を高める

□ 会社、学歴など肩書きを外しても通用する人材を目指す

□ 地域活動、ボランティア活動など、肩書きを外して活躍する場を求める

□ 将来的には専門能力を備えた経営幹部候補者になる自覚を持つ

○ 国家資格などを取得する

効果的に資格を取得するためには

□ 強く合格を意識する

・ 合格を喜んでいる自分の姿をイメージする

・ 周囲から褒められている自分の姿をイメージする

□ 合格を目指したスケジュール表を作り自己管理する

□ 専門書、参考書、問題集を購入し熟読する

・ 過去の問題で傾向と対策を調べる

・ 通勤・帰宅時間を有効に活用する

□ 通信教育の受講やセミナーに参加する

□ 既取得者に合格のポイントを聞く

・ 勉強方法、要点など

□ 実務の中で情報を集める学習に生かす

自己啓発に努め、「情報関係国家資格等一覧」に記載してある資格にチャレンジする。


情報関係国家資格等一覧

国家試験 技術士(情報工学部門)
技術士補(情報工学部門)
システム監査技術者
システムアナリスト
アプリケーションエンジニア
プロジェクトマネージャ
テクニカルエンジニア(ネットワーク)
テクニカルエンジニア(データベース)
テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)
テクニカルエンジニア(システム管理)
テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)
ソフトウェア開発技術者
上級システムアドミニストレータ
情報セキュリティアドミニストレータ
初級システムアドミニストレータ
基本情報技術者
その他の機関による認定試験 ISO9000 品質システム審査員
ISO14001 環境マネジメントシステム審査員
ISO27001 情報セキュリティマネジメントシステム主任審査員
CMM リードアセッサー
PMP (Project Management Professional)
IT コーディネータ



3. 楽しい職場にするために

仕事をするばかりが会社ではありません。社内にはさまざまな年齢や性別、職責、勤続年数の人が一緒に働いています。上下関係や横のつながり、同僚と協調性をもって、楽しく明るい職場づくりを目指しましょう。「仕事はできるが、協調性がない」「挨拶をしない」といった人は、孤立しやすく、仕事に影響が出てくる場合もあります。楽しい職場づくりは社員一人ひとりの努力と協力からはじまります。

その一方で、“親しき中にも礼儀あり”の言葉を念頭におき、節度ある応対を心がけることも忘れてはいけません。

(1)挨拶をしよう

すべての仕事は挨拶にはじまり、挨拶に終わります。自分から進んで、大きな声で明るく挨拶することを心がけましょう。


<ワンポイントチェック>

感謝の気持ちを言葉に

「おつかれさま」は部下から上司への、「ご苦労さま」は上司から部下への労いの言葉です。部下が上司に「ご苦労さま」と言っては、せっかくの挨拶も逆効果になりかねません。正しい言葉づかいを身につけましょう。

(2)仕事を楽しくする工夫

○ 楽しい職場づくりのために

職場内は、あまり堅苦しくない方が望ましいものです。楽しい職場をつくり出すのは、お互いの信頼と尊敬です。親愛・敬愛の気持ちで上司や同僚に接していくことが、快適な職場環境づくりの第一歩です。

○ 親しき中にも礼儀あり

たとえ、上司や先輩社員と親しい間柄になったとしても、公私ともに礼儀をわきまえた応対をすることを心がけてください。また、自分より年下の上司に対しても、年長者に対するのと同様に礼儀正しく接しましょう。

会社では、上下関係、年齢は何よりも最優先されます。“親しき中にも礼儀あり”をしっかり心にとめて、会社生活を送りたいものです。

(3)話し合いの大切さ

社内にはさまざまな年齢や性別、職責、勤続年数の人が一緒に働いています。当然、価値観も違います。考え方の違いで、仕事に支障が出ると思われるときは、話し合って調整することが必要です。相手の価値観をお互いに認め合う意識を育てるようにしましょう。

(4)インターネットを正しく使う

○ 色々なメディアには著作権がある

テレビ番組やラジオ、音楽CD、一般書籍、CD-ROM、インターネットホームページ上の写真やイラスト、文章などあらゆるメディアには原則的に著作権があります。これらは簡単にコピーすることができますが、そのメディアの制作者の承諾を得ず別の目的に使用することは著作権法で禁じられています。複製は、例えばテレビの裏番組を録画して、後でゆっくり見るなど、個人的に楽しむ場合のみ許される行為です。

○ 私的な理由でインターネットを利用しない

会社で職務に無関係なホームページ(ゲーム、わいせつな画像など)にアクセスし、閲覧する行為は禁じられています。

○ 安易な接続は迷惑

できるだけ空いている時間を見計らって、アクセスするようにしましょう。安易にオンタイムでホームページにアクセスすることは、他の利用者にレスポンスの低下という迷惑がかかることも念頭においてください。







Ⅱ. お客さまへのマナー

1.はじめに

お客さまがご満足される質の高いサービスの基本は、温かく心のこもったサービスをすることですが、具体的には電話における言葉づかいや態度など最初に応対した社員の印象を通してその会社のイメージがつくられるものです。

温かく心のこもったサービスは、お客さまに対する“まごころ”の表れであり、これは服装や態度にも表れるものです。キチンとした服装や、誠実な態度でお客さまに接することはサービスマナーの基本であり、社員一人ひとりが“会社の代表”であると自覚することが日々の良い応接の基となります。

さらに一歩進めて、より満足していただく応接に努めようとする心がまえをもっていただきたいものです。

このような観点から、サービスマナーのポイントをまとめましたので参考にしてください。

(1)服装と身だしなみ

“服装はその人を表す”と言われ、不潔でだらしのないなりは、気分までだらけさせるばかりか、お客さまに不快感を抱かせます。一方、清潔で明るくキチンとした服装は、態度を引き締めお客さまに好印象を与えます。始業時刻前には鏡の前に立ち、身だしなみを点検しましょう。

また、お客さまと接する職場では、お客さまに不快感を与えないよう華美過ぎたり、カジュアル過ぎるものは避けてください。

服装・見だしなみチェック

□ 髪が乱れていませんか。

□ 歯、耳、手はきれいですか。清潔ですか。

□ 爪はきれいですか。のび過ぎていませんか。

□ バッジ、名札が正しくついていますか。曲がっていませんか。

□ 服にシミや汚れはありませんか。

□ ネクタイ、リボンが汚れていたり、曲がったりしていませんか。

□ 襟や袖口が汚れていませんか。

□ ボタンがとれていたり、はずれかかっていませんか。

□ ズボン、スカートがシワになっていませんか。

□ ハンカチは清潔なものを用意していますか。

□ 靴下は清潔ですか。

□ 靴が汚れていませんか。磨いてありますか。

(2)応接時の態度と動作

①正しい姿勢

常に誠意をもって接することが心がけましょう。

○ 立ったとき

・ 背筋を伸ばし胸を張り、あごを軽く引く

・ 肩の力を抜く

・ 腕は自然に下げ、体につけるか手先を前で重ねる(後ろ手に組まない)

・ つま先を軽く開き、かかとを揃える

○ 腰掛けたとき

・ 椅子に深く腰掛け(ソファ-は浅めに座る)背と背もたれの間を軽く開ける

・ 上体は真っ直ぐ伸ばす

・ 両足を揃える

・ 男性の場合/こぶし二握り程開けてもよい

・ 女性の場合/椅子が低いときは斜めにする

②お礼儀の仕方

感謝の気持ちを込めて、頭を下げ腰から曲げます。

○ 基本動作

・ 背筋を伸ばして立つ

・ 両腕を両脇につけ、挨拶をする

・ 上体を曲げ、目線を床に移す

・ そのまま一端止める   

・ 上体をゆっくり起こし真っ直ぐ立って、相手の顔か胸に目線を移す

○ 会釈(15°)

お客さまや上司、先輩との廊下・階段でのすれ違いや、エレベーターの乗り降りのときに行います。

上半身全体でお辞儀をする(背中が丸くならないように注意する)

○ 普通礼(30°)

感謝の気持ちを表すときや、訪問先を退出するときに行います。

まず、気を付けの姿勢を取り、相手から自分の顔が見える範囲でお辞儀をする。

○ 最敬礼(45°)

感謝の気持ちを強く表すときや、お詫びするときに行います。

気を付けの姿勢から深々とお辞議をする。

(3)挨拶と返事

挨拶は、より良い人間関係をつくるための潤滑油の働きをします。元気に誠意をもって挨拶をすれば、相手も気持ちの良い挨拶を返してくれるものです。自分から進んで、大きな声で明るく挨拶しましょう。

○ 最後までハッキリと声を出す

せっかくの挨拶も小さな声だったり、語尾がハッキリしなかったりすると意味がありません。出だしと同じ調子で最後までハッキリと発声しましょう。「ハイ」「いいえ」などの返事も元気よく応えたいものです。

○ 名前を呼んで挨拶する

挨拶をしても、なかなか挨拶を返してもらえない、という場合は、「〇〇課長、おはようございます」「〇〇部長、おつかれさまです」など名前を呼んで挨拶をすると良いでしょう。

ハ  はい

イ  いいえ

オ  おはようございます

ア  ありがとうございます

シ  失礼します

ス  すみません




2. 会話のマナー

会社のイメージは、ほとんどが応接した社員の言葉づかいや態度で形づくられます。心のこもったサービスを進める上で大切なのは、お客さま本位の接客で臨み、正しい敬語、好ましい言葉づかいをもって応接することです。お客さまのお話をしっかりうかがい、常に私が“会社の代表”であるという意識をもって誠心誠意お応えすることが大切です。応接の最も基本的な部分である会話のマナーを身につけておきましょう。

(1)会話の基本

会話の基本6カ条

①声をハッキリ出す

いくら正しいことを話していても、声が小さいとお客さまは理解できません。“声をハッキリ前に出す”こと、特に“語尾をハッキリ話す”ことによってお客さまは聞き取りやすくなります。

②お客さまの反応を確かめながら話す

お客さまの言葉は「YES」であっても、表情「?」の場合もあります。反応を確かめながら話を進めましょう。

③話上手は聞き上手

一方的に話をしていると、お客さまに悪い印象を与え、話を聞いてもらえなくなるかもしれません。まずお客さまの話に耳を傾けましょう。

④お客様の話を途中でさえぎらない

お客さまの話を途中でさえぎることは、たいへん失礼にあたります。お客さまの話が一段落するまで待ちましょう。

⑤社外の方に専門用語を使わない

専門用語や不必要なカタカナ用語はお客さまには理解できない場合があります。常に一般的な社外で通用する用語に言い替えられるように心がけましょう。

⑥重要事項は具体的に確認する

特に重要な事項は5W1Hで確認しましょう。

(2)敬語の種類

敬語は大きく次の3種類に分けられます。その場に応じた正しい敬語を使えるようにしておきましょう。それぞれの具体例は巻末資料を参考にしてください。

○ 尊敬語

相手、または相手に関係する物事について、尊敬の気持ちを表すときに使います。

主な例

「来る」 「いらっしゃる」「おいでになる」「おみえになる」など

「言う」 「おっしゃる」「仰せになる」など

○ 謙譲語

自分、または自分に関係する物事について、謙遜の気持ちを表すときに使います。

主な例

「来る」 「参る」「うかがう」など

「言う」 「申す」「申しあげる」など

○ 丁寧語

相手に対して、丁寧な言葉づかいをするときに使います。基本的に「です」「ます」調になります。

主な例

「来る」 「参ります」「うかがいます」など

「言う」 「言います」「申しあげます」など

(3)好ましい言葉づかい

社内、社外にかかわらず、敬語、敬称を正しく使い分けられるようにしましょう。好ましい言葉づかいの具体例は、巻末資料をご覧ください。

自分のことを指す場合     わたし、わたくし

役職者を呼ぶ場合       〇〇課長、〇〇所長など

役職者以外の社員を呼ぶ場合  〇〇さん(男女問わず)

社外の人を呼ぶ場合      〇〇常務、〇〇さま、〇〇さん

社外で上司を紹介するとき

〇 課長の田中です

✕ 田中課長です

※社外で社内の人を呼ぶ場合は、たとえ上司であっても身内にあたるので敬称をつけない(「課長の〇〇もよろしくと申しています」)。

※会社では、自分よりも年少者だが勤続年数が長い人、自分よりも年長者だが勤続年数が短い人もいます。そのような人に対しても、“さん”づけをするなど、丁寧な言葉づかいをもって接しましょう。


<ワンポイントチェック>

大勢の前での自己紹介

①姿勢を正す

・ 立つ位置を決める。

・ 上着のボタンを止める。

・ テーブルより一こぶし開けて立つ。

②聞き手に目を向ける

・ いきなり話し出さない。

③挨拶、礼をキチッとする

・ 普通礼または最敬礼する。

・ 「おはようございます」「皆さん、こんにちは」などと、ハキハキとした声で挨拶をする。

④氏名を名乗る

・ 明るく、抑揚をつけて、フルネームで名乗る。

⑤自分を印象づけるPR法

・ 由来法…名字のルーツを話す。

・ 反復法…視点を変え繰り返し話す。

・ 関連法…有名人や歴史上の人物に関連付ける。

・ 解字法…漢字の説明をする。

・ 有意法…語呂合わせなどの意味を持たせる。

⑥人柄、人格を伝える

・ 趣味、特技を披露する。

⑦場に応じた一言

・ その場で感じたこと、感想を述べる。

⑧名前を決定付ける

「以上で、〇〇の自己紹介を終わらせていただきます。」

⑨挨拶

「よろしくお願いします。」

⑩礼をキチッとする

・ 普通礼または最敬礼をする。

・ キチンと前を見てから、次の動作に移る。




3. 応接のマナー

お客さまとの応接は、職種、職位、性別、年齢に関係なく、全社員が感じ良くできなければなりません。お客さまにご満足いただけるか、不快感を与えるかによって、全社の印象や信用が左右されます。応接者は常に、私が“会社の代表”であるという意識をもって接客するよう心がけましょう。

お客さまが来社された際の、応接室への案内、席の上座・下座、お見送りまでの一連の応接のマナーをしっかり身につけましょう。

(1)応接の基本

○ お客さまの身になって

お客さまがどんな目的で、何を望んで来社したかを理解し、その上でお客さまの立場に立って誠意のある応接に努めましょう。

○ 豊富な知識を身につける

社内知識、業界知識はもとより、一般常識を豊富にし、お客さまのご要望に的確に応えられるようにしたいものです。

○ お客さまによって差をつけない

お客さまの服装・センス・年齢や顔馴染みということで応接に差をつけないことが大切です。

○ お客さまの目の届くところで不注意な態度を取らない

休憩時間だからといって、窓口やお客さまの目が届くところで、お茶を飲んだり、お菓子を食べたりしないようにしましょう。

①覚えておくと便利な応接用語

お客さまと接するときの言葉や話し方は、お客さまにご満足いただく上で重要です。十分に使い慣れておき、いつでもスムーズに話せるようにしたいものです。なお、言葉だけの応接でなく、常に心をこめて話すことが大切です。

○ 挨拶用語

「おはようございます」

「毎度ありがとうございます」

「いつもお世話になっております」

○ マジックフレーズ

お客さまのご依頼・要望事項に応じられないときに、お客さまの気持ちを和らげる魔法の言葉としてマジックフレーズを身につけましょう(一般的には依頼型で話します)。

「恐れ入りますが」

「申し訳ございませんが」

「あいにくでございますが」

「お願いできますでしょうか」

「せっかくお越しいただきましたのに、申し訳ございません」

「…していただけますでしょうか」

「まことに申しあげにくいのですが」

②案内の仕方

○ お客さまの身になって、先導する

・ どこへ案内するか行き先を告げてから歩き始める(行き先がわかっていれば、お客さまはそのように心の準備ができる)

・ 案内者は、お客さまの2~3歩斜め前を歩き、歩調をお客さまに合わせる(お客さまに廊下の真ん中を歩いていただく)

・ 曲がり角や階段の踊り場では、一端立ち止まり、方向を示し声をかける

・ 方向を示す場合は、指差さずに掌を上向きにして指先を揃えて行う

③エレベーターの乗り降りの仕方

エレベーターは降りる人が優先で、完全に降りてから、お客さまを誘導しましょう。

○ 乗るとき

自分が先に乗り、ドアを軽く押さえるか、“開ボタン”を押してお客さまを誘導します。

○ 降りるとき

お客さまより先に降り、エレベーターが閉まらないようにドアを片手で軽く押さえて置き、お客さまが降りたのを確認します。


<ワンポイントチェック>

先に乗り降りするのは、エレベーターが安全な位置に止っていることを確認するためです。

④応接室への誘導

ドアを開けて、お客さまに軽く一礼してお客さまをご案内しましょう。

○ 外開きのドア

先にドアにたどりつき、ドアを開けて待ち「どうぞお入りください」と招き入れてから、自分が入ります。

○ 内開きのドア

自分が先に入り、内側でドアを押さえて置き、お客さまを迎え入れます。


<ワンポイントチェック>

ドアはノブのついている反対側の手で開けてから、持ち替え、空いている手でお客さまを招き入れます。ドアを開ける最初の10cm、ドアを閉める最後の10cmは特にゆっくり開閉するよう心がけましょう。

(急に開けると打ち合わせ中だったり、大きな音が出るおそれがあります)

○ お客さまに席を勧めする

お客さまによっては、遠慮して末席に腰掛ける人もおられるので「どうぞこちらの席にお掛けください」と、上席に案内しましょう。

○ 退室するとき

「少々お待ちください」と一礼して退室します。お客さまをお待たせするときは新聞や雑誌を適宜用意しましょう。

⑤上席と末席のマナー

○ 良い席の条件

お客さまに掛けていただく席は、落ちついて面談できる席を選びましょう。

・ 人の出入りが気にならないこと

・ 安心してくつろげること

・ 採光や照明がまぶしくないこと

(注)お客さまには上席を勧め、自社側は下席に座る。

応接室・会議室・事務所内の応接セットの席順

・ 出入り口から最も遠い席が上席

・ 応接室の場合、原則として長椅子はお客さま用、肘掛け椅子は自社用

・ 事務所内の応接セットでは、事務机から一番遠い席が上席

その他の座席の順位

レストランや自動車、列車にも座席の順位があります。次の例を参考にしてください。

○ 洋間・日本間の席順

・ 原則として、出入り口から最も遠い席が上席

・ 日本間の場合、床の間を背にする席が上席

○ レストランの席順

入口から最も遠い席が上席になります。

○ エレベーターの並び順

入口から中に入って左奥が最上位、右奥が2番目、右手前が3番目、左手前が4番目になります。

○ 自動車の席順

運転手の後席が最上席で、次が反対側の窓側、真ん中は3番目の席になります。

○ 列車の席順

進行方向を向いた席の窓側が最上席で、その向かい側が2番目、最上席の隣の通路側が3番目、その向かいが4番目になります。

○ 飛行機の席順

列車の場合と同じく、窓側、通路側、真ん中の席順です。

⑥お見送りの仕方

○ お見送りの際は、丁重にお辞儀をする

感謝の言葉を述べ、お客さまが見えなくなるまでお見送りしましょう。

「本日のご用件は確かにうけたまわりました」

「おいでいただきまして、ありがとうございました」

「ありがとうございました。また、お越しください」

○ お見送りは、最後が大切

・ 窓口…ドアを出るまで

・ 車……見えなくなるまで

・ エレベーター…ドアが閉まるまで

(2)訪問のマナー

①訪問の基本

○ 訪問は事前に約束を取る

・ 訪問をするときは、必ず約束を取る

・ 一般的には電話で、状況により文書で依頼する

○ 約束の時間を守る

・ 約束時刻より5分前には到着する

・ 遅れそうな場合は、電話連絡をし、その旨を伝える

○ 服装・身だしなみを整えて

・ 訪問する前には鏡を見て服装・見だしなみを整える

②他社を訪問する場合

○ 受付に訪問の来意を告げる

・ 会社名・名前と相手の方の所属と名前を告げる

・ 約束の有無を伝える

③お客さまのお宅を訪問する場合

・ 社員証、名刺、パンフレット等の必要なものを忘れないようにする

・ お客さま宅では礼儀正しく訪問の挨拶をする

・ 家の中に入るときは、要件をハッキリ伝え、お客さまの指示のあった席に座る

○ 案内のされ方

・ 案内者の2~3歩後を歩く

・ 入退室の際は、会釈・挨拶をする

・ 案内者が女性の場合に階段を上がるときは、真後ろにつかないように気を配る

・ 知っている場所でも自分から先に行かない

○ 応接室のマナー

・ 案内された席に座るが特に指示が無い場合は、ドアに一番近い席に座る

・ 相手の方が見えたら、時間を取っていただいたことに謝辞を述べる

・ 初対面の場合は名刺を出し自己紹介をする

○ 退出する場合

・ 相手の方はもとより、案内者にも丁重に挨拶する

(3)名刺のマナー

①名刺の扱い方

○ 名刺は本人の身代わり

・ 必ず名刺入れに収め、お客さまにお会いしたときに即座にお渡しできるよう、お客さまに向かって入れておく

・ お渡しするときは、お客さまが読めるようにお出しする

・ 定期いれや手帳の間に入れておくと名刺の角が折れたり、他人の名刺を間違えてお渡しするおそれがあるので避ける

・ 名刺は腰から下にさげないことが原則。したがって、名刺を持った手は腰から下にさげない。また、名刺入れは背広の内ポケットや鞄に入れ、スラックスのポケットに入れることのないよう注意する

・ お客さまの名刺は両手で丁寧に扱う

・ 名刺をいただいたら、必ず目を通し、お名前を確かめてからしまう

・ 名刺は初対面の挨拶時に、立ったまま交換することが原則。和室では正座をして行う 

②名刺の手渡し方

○ お客さまの手に渡すのが基本

・ 名刺は訪問者の側から、また立場の下の者から先に出すのが原則である

・ 名刺入れから取り出し「〇〇情報サービスの〇〇と申します」と名乗り、お辞儀をしながら少し円を描くようにお客さまに手渡す

・ 「私は、こういう者ですが」と、言って名刺を手渡さない

・ もし、出し遅れた場合は、「遅くなりまして申し訳ございません」と一言添えてお渡しする

・ 必ずお客さまの手に渡すようにし、テーブルや机の上に置くことは避ける

○ 鞄や荷物を持ったまま名刺を渡さない

・ 鞄や床に、荷物は「こちらに置かせていただいてよろしいでしょうか」と、確認を得てから荷物を置く

③名刺の受け取り方

○ 必ずお客さまの名前を確認

・ 両手で丁寧に受け取り、読めない場合は「恐れ入りますが、何とお読みしたらよろしいでしょうか」と、正しい読み方をうかがい、以後の会話はお名前で呼ぶようにすると親しみが増して良い

○ 受け取った名刺の扱い方

・ いただいた名刺は、一枚の場合は、名刺入れをお盆替わりにしてその上に置く

・ お客さまの名刺が数枚ある場合は、お座りになっている順に名刺を並べておき、名前を確実に記憶する

④名刺を交換する場合

・ お互いに名刺を出す用意をしているときは、同年輩の場合はお互いに片手で交換しても良いが、一般的には、自分の名刺をお客さまにお渡ししてから、お客さまの名刺を両手で受け取る

・ お互いに同時に片手で交換する場合は、お客さまの名刺は右手で受け、左手の名刺入れの上に乗せ、自分の名刺を渡すと良い

名刺についてのQ&A

Q1:名刺入れから取り出すよりワイシャツのポケットから出す方が早いが?

A:だらしない印象をお客さまに抱かせるので、必ず名刺入れから出します。また、いただいた名刺をワイシャツのポケットに直接しまうことは、お客さまを軽んじているように取られやすいので避けましょう。

あらかじめ、お会いする人数が分かっている場合は、必要な枚数を名刺入れの間にはさんで置くと素早く取り出せて便利です。ためしてみてください。

Q2:以前名刺を渡したが、お客さまが自分のことを、覚えていないような場合は?

A:「以前お渡したと思いますが」と、言葉を添えてお渡しすれば良いでしょう。

Q3:お客さまの前で、いただいた名刺に仮名をふったり、字を書き込んで良いか?

A:一言ことわれば、お客さまの前で振り仮名をつけても良いが、日付・要件・特徴はその場で書くことは失礼にあたります。

Q4:打ち合わせ中に名刺の上に書類を置いても良いか?

A:お客さまを軽んじることとなるため名刺の上に書類を置かないよう注意しましょう。

Q5:テーブルの上の名刺をいつしまうか?

A:お顔とお名前を覚え、話に一区切りついたとき、「ちょうだいいたします」と、一言ことわってから、目礼してしまうとお客さまに好印象を与えます。




4. 電話のマナー

ビジネスの場において電話は、たいへん重要な役割を果たします。

ほとんどのお客さまとは、まず電話を通して接しますが、電話では声だけの応対するため、お客さまは応対者の口調や言葉づかいなどちょっとした部分から、会社のイメージをつくりあげます。電話応対の善し悪しがそのまま会社の第一印象として形られる訳です。したがって、応対者は常に私が“会社の代表”であると自覚して、電話応接にあたることが大切です。

電話の「受け方」「取り次ぎ方」「かけ方」など電話応接のマナー、エチケットを十分に理解して日常営業に活かしましょう。 

(1)電話応対の心がまえ

電話は声だけが頼りの応対です。お客さまの表情や感情を受話器を通してつかまなければなりません。反面、皆さんの応対の善し悪しがそのまま自社の評価につながります。

一人ひとりが“会社の顔”として、お客さまに好ましい印象を与えるように心がけ、明るくハッキリとした口調で、丁寧な応対に努めましょう。

(2)電話応対の基本

○ 目の前にお客さまがいるつもりで話す

お客さまに見えないからといって、だらしない態度で出ると自然に言葉づかいが雑になり、思わぬ失敗を犯すこととなりがちです。目の前にお客さまがいるつもりで、礼儀正しく丁寧に話すことを心がけましょう。

○ 言葉は明るい声でハッキリと

・ 特に語尾をハッキリと発音する

・ 専門用語を避け、わかりやすい言葉で話す

(3)電話の受け方

○ 3回以上鳴らさない

・ もし、3回以上待たせた場合は「お待たせしました」

・ 5回以上待たせた場合は「たいへんお待たせしまして申し訳ございません」

○ メモを取る準備をする

○ 受話器をとったら

・ こちらから名乗り(「もしもし」はいらない)

「〇〇情報サービスの〇〇でございます」

・ 10時頃までは、「おはようございます、〇〇情報サービスの〇〇でございます」と、でる

・ お客さまの会社名・名前を確認する

「失礼ですが、どちらさまでしょうか?」

・ 聞き取りにくい名前のときは確認する

「どの様な字を書きますか?」

・ 挨拶の言葉を話す

「いつも、お世話になっております」

○ 用件をうかがうとき

・ メモをとり、内容を確認する

○ 用件が済んだら

・ 自分の所属と名前を名乗る

「営業部の山田と申します」

・ 終りの挨拶をする

「ご連絡、ありがとうございました」

「失礼いたしました」

・ お客さまが電話を切ったのを確認してから受話器を置く

(4)電話の取り次ぎ方

○ 取り次ぐとき

・ 電話のたらい回しをしない。お客さまの名前・用件をうかがい確認してから取り次ぐ

・ 待たせないように心がけ、長引くときはこちらからかけ直すようにする

「恐れ入りますが、少々時間が掛かりますので、折り返し、お電話をさせていただいてよろしいでしょうか?」

※ 電話番号をうかがい確認すること。

○ 指名された人が不在の場合

・ 何時頃連絡が取れるかお客さまに伝える

「申し訳ございません、ただいま山田は外出しておりますが、午後3時頃戻る予定です。よろしければ、私がご用件をうけたまわります」

・ 伝言を依頼されたときは、メモを取り確認する

お客さまの会社名・氏名・電話番号・用件の概要・受付け時刻

・ 自分の名前を名乗る

「私、吉田がうけたまわりました。ありがとうございました」

(5)電話のかけ方

○ 準備を5W1Hで

・ 用件の概要、内容、話す順序を簡単にメモする

○ 相手の方がでたら

・ こちらから名乗り、相手を確かめる

「〇〇情報サービスの佐藤でございますが、山田さまでいらっしゃいますか?」

・ 挨拶をキチッとする

「いつも、お世話になっております」

○ 相手の方が不在の場合

・ 後でかけ直すか、伝言を依頼する

○ 用件が済んだら

・ 丁寧に終りの挨拶をする

「よろしくお願いします」

「失礼いたしました」

・ 相手が電話を切ったのを確認してから受話器お置く




5. 社外文書の作成

社外文書は、個人ではなく、会社が作成し、発信する文書です。送り先の相手に失礼がないように、一定の書式に従って文書を作成する必要があります。ビジネス文書独特の形式をしっかり覚えましょう。

また、慣れないうちは、季語や慣用句、頭語と結語などは巻末資料を参考にして書くようにしましょう。

(1)良い社外文書を作成するために

○ 一定の形式を守る

社外文書の形式を守って作成すれば、自然に相手にとって読みやすい書式になります。逆に形式を破ってしますと、不自然で読みにくい文書になってしまいますので、注意しましょう。

○ 独特な言い回しに慣れる

文書などに使われる書簡用語を適切に使えるようになりましょう。

「ご高配(ご厚情)を賜り」

「なにとぞご査収ください」

○ 尊敬語・謙譲語を正しく使い分ける

文書においても、尊敬語と謙譲語を取り違えて使用してしまう場合が多く見受けられます。巻末資料を参考にして正しい敬語を使いましょう。

○ 敬称を正しくつける

会社・団体………………御中

個人………………………様

(注)「殿」は事務連絡など特殊な場合か、役職名につけます。

例:人事課長 殿

人事課長 鈴木太郎 様

(2)社外文書の作成

○ 社外文書の基本型

社外文書は、次の項目から構成されています。書き漏れがないように注意しましょう。

①日付   発信日

②受信者名 正式名称を書く

③発信者名 正式名、所属部・グループ、氏名

④件名   タイトル「〇〇〇〇について」

⑤頭語   拝啓、前略など

⑥前文   時候の挨拶、感謝の言葉など

⑦主文   文書の主目的

⑧末文   文書の要点をまとめる

⑨結語   敬具、草々など

⑩記    内容・重要事項などを箇条書きにまとめる。最後に「以上」を入れる

○ 文書作成のポイント

前項の社外文書の基本型を参考にしながら読んでください。

①②③前付けを正しく書く

前付け(日付、受信者名、発信者名)は漏れなく記入しましょう。受信者、発信者は正式名称で書いてください。また、日付は文書を作成した日ではなく、受信者が文章を読む日にします。これは、「いつ」「だれが」「だれに」出した文書であるかを明確にし、責任の所在をハッキリさせるためです。

また、文書は後日の証拠にもなります。

④件名はシンプルに分かりやすく

件名は、いわば文書のタイトルです。「〇〇講演の依頼について」「〇〇のご案内について」など一読して内容の予測ができるようにします。

⑤頭語・⑨結語

頭語と一番最後の結語は常にペアで使われ、それぞれの頭語には決まった結語が結びつきます。組み合わせを覚えておきましょう。

頭語―結語の組み合わせ例

拝啓―敬具(一般的に使われる)

拝復―敬具(返信の場合)

謹啓―敬白(特別な尊敬の意思を表す場合)

前略―草々(略式、急ぎの場合)

※「前略」を使用する場合は、前文省略ですぐ用件に入ります。

⑥前文

○ 時候の挨拶

次に挙げたような慣用句を使い、「〇〇の侯」と表現します。各月で一つずつ覚えておくと便利です。また、これ以外の言葉は巻末資料を参考にしてください。

時候の挨拶例

1月 新春      7月 盛夏

2月 立春      8月 炎暑

3月 早春      9月 初秋

4月 陽春      10月 秋冷

5月 新緑      11月 晩秋  

6月 梅雨      12月 初冬

○ 安否の挨拶

一定のパターンにそった言い回しを覚えましょう。

貴社(御社)にはますますご清栄のこととお慶び申しあげます。

皆様にはますますご活躍のこととお慶び申しあげます。

○ 安否の挨拶(お礼、お詫び)

・ 感謝やお礼の場合

平素格別のご愛顧を賜り厚くお礼申しあげます。

日頃何かとご支援をいただき深く感謝申しあげます。

・ お詫びの場合

平素ご迷惑ばかりおかけいたしまして、まことに申し訳ありません。

日頃ご無理ばかり申しあげて、まことに申し訳ありません。

⑦主文の書き出し

前文に続いて、次のように本題に入ります。

さて    「さて、このたび当社では…」        一般的な語句

ところで  「ところで、〇月〇日の会議で…」      話題を変えるとき

つきましては「つきましては、当社で〇〇参加者を募集し…」前の文に関係あることを続けるとき

実は    「実は、〇〇の件につきましては…」     本題に入るとき

なお    「なお、〇〇に関しましては…」       最後に付け足しをするとき

⑧末文はスッキリまとめる

文書終了を表す、お願いの形で終わるなど、いくつかのパターンを使い分けましょう。

○ 一般的なパターン

まずは書面にてご案内かたがたお願い申しあげます。

お礼かたがたお知らせ申しあげます。

ご挨拶かたがたお願い申しあげます。

○ 自分の愛顧、引き立てを願う

今後ともお引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

なにとぞ従来同様のご愛顧を賜りますよう、お願い申しあげます。

○ 相手の繁栄と願う

末筆ながら貴社のご発展おお祈り申しあげます。

時節柄皆様のご健康をお祈り申しあげます。




6. 電子メールのネチケット

ネットワーク・エチケット、略して“ネチケット”という造語も生まれるほど、電子メールは、電話、ファクシミリと並んで、ビジネスに不可欠な通信手段として広く定着しつつあります。基本的なマナー・エチケットは電話やファクシミリと変わりませんが、メール独特の使い方とルールがあります。しっかり理解しておきたいものです。

また、世界中の情報をモニタ上で検索・収集できるインターネットにもルールが存在します。社会人としてのマナーや著作権法を守ることはもちろん、法律で禁止されている情報を掲載したり、掲載されているサイトの情報を流用することは法律で禁止されています。便利さの追求におわれルールを無視しないようにしましょう。

(1)電子メールのネチケット

○ ネチケットの基本12か条

①送る前にもう一度確認を

紙に書く場合と違い、パソコンの画面上では誤字脱字が起きやすいものです。送信する前に再読する習慣をつけることが大切です。

②本文が短く簡潔な文章で

本文は、1スクロール程度でみられる長さにまとめましょう。必要事項を漏らさず、簡潔に仕上げるように心がけましょう。

やむを得ず長文のメールを送付する場合は、「長文で失礼します」など冐頭に一言入れておくと良いでしょう。

③前文は省略しても講わない

受信者の名前の後、いきなり要件を書きだしても失礼にはあたりません。しかし、受信者がお客さまや目上の人である場合など、受け取る人によって言葉づかいを変える気配りもほしいものです。

④文書の言葉づかいには十分注意

電子メールは文字だけのコミュニケーション方法です。受け取る人は、文書の言葉づかいから、発信者の人柄、ひいては会社のイメージを読み取ります。

「です」「ます」調のソフトな表現にするよう心がけましょう。

⑤件名に内容の要約を入れる

件名に内容の要旨や氏名を入れておくと、受け取る人もすぐにメールの内容をつかむことができます。

内容を見たくなるようなタイトルをつけましょう。

「会議のお知らせ」→「〇日の会議は〇日に延期」

「〇〇資料について」→「〇〇資料〇頁の追加項目」

⑥末尾には署名をつける

メールの最後には、自分の名前、会社名、部署名、メールアドレスなどをつけるのが一般的です。メールソフトにある署名機能を使うことをお勧めします。

⑦こまめに改行を入れる            

1行の文字数は、長くても35~40字ぐらいが目安です。1行の文字数を多くしたり、改行を全く入れない文章を送信すると、受け取る側のメールソフトによっては、非常に見づらいメールになることがあります。

⑧漢字を少なく、ひらがなを多く

画数の多い漢字などは避け、ひらがなを多くし、こまめに「、」「,」で区切りながら、適度に改行し、段落ごとに1行空けていくと読みやすくなります。

⑨半角カナは使わない

半角カタカナ文字や「①、Ⅰ、(㈱、㈲、℡、フリーダイヤル)」といった特殊記号や外字は文字化けを起こすのでメールでは使用しないことが原則です。

⑩送信前にアドレスを再確認

郵便と違って、アドレスを1字でも間違えるとメールは相手に届きません。送信前にアドレスを再確認しましょう。よく送付するところはメールソフトにあるアドレス帳に登録しておくと良いでしょう。

⑪返信はなるべく早く

インターネット経由でメールを送った人は、受け取った人がそれを読んだかどうか確認できません。「了解」「受け取りました」など簡単な文で良いので返信を忘れないようにしましょう。

⑫定期的にメールを読む

最低1日3回はメールを読む習慣をつけましょう。また、よくメールのやりとりをする相手に、メールを読む時刻を伝えておくのも効果的でしょう。

○ 添付ファイルの注意点

□ フィル形式を確認する

添付ファイルを作成したアプリケーションソフトをメールを受け取る側が持っていないと、せっかく送られたファイルも開くことができません。送る前に確認しておくと良いでしょう。

ファイルを添付する場合、それがどんなアプリケーションソフトで作成したソフトか明記しておくと受け取る側が助かります。また、文字だけのファイルは、添付せずになるべく本文の中に入れましょう。

□ 添付方式に注意

そのファイルを作成したアプリケーションソフトが受け取る側のパソコンにインストールされていても添付ファイルが開けない、文字が意味不明の記号になって出てくる場合は、ファイルの添付方式が違うことが考えられます。もし、添付ファイルが開けないときは、発信者に添付方式を確認しましょう。

□ 重要なファイルを送る場合は安全対策を

重要なファイルを送るときには、パスワードをつけて送り、別メールや電話でパスワードを知らせる方法もしくは添付ファイルを暗号化した上で、キーをつけて送る方法など自衛措置を講じることが大切です。このような自衛措置を採ることによって、アドレスを間違えて送っても、受け取った人が開けないので安全です。

□ 大きなファイルは圧縮する

画像など容量の大きなファイルは圧縮して送るのが原則です。容量の大きなファイルは、受け取る側にはたいへん迷惑なものです。事前に連絡を入れておいてください。

また、添付ファイルの大きさにも制限がある場合がありますので前もって受け取る側に確認しましょう。

○ 電子ファイルに関する注意事項

□ いたずらメールは社内ネットワーク管理者へ連絡

郵便や電話と同じく、電子メールでもいたずらメールや、嘘の情報を流すメール、「不幸の手紙」形式のメールなどがあります。このようなメールが届いた場合は、直ちに社内ネットワーク管理者へ連絡してください。

また、受信したメールはいたずらの証拠になりますので、すぐに削除せず念のため保存しておいてください。

一定期間何ごともないようでしたら捨ててしまっても構いません。

□ 見知らせぬメールには要注意!

いたずらメールで最も悪質なものはコンピュータウイルスをもったメールです。ウイルスは、多くの場合添付ファイルに仕組まれ、ファイルを開くと同時に起動する仕掛けになっており、社内のコンピュータに多大な被害をもたらします。添付ファイルをもつ送信者不明のメールが届いたときは要注意です。このような場合は、至急社内ネットワーク管理者に連絡してください。

ウイルスの種類は、日増して増え続けています。感染を未然に防ぐために次の対応をしてください。

・ アンチウイルスソフトをインストールする

・ 社内ネットワーク管理者などから発信されるウイルス情報をこまめにチェックする。




7. 苦情・クレームの対応

クレーム対策を進める上で、まず意識していただきたいことは、クレームと苦情とは異なることを認識してほしいことです。お客さまが自社に対し期待しているからこそ、私たちに対し、「こうして欲しい」という要求・要望をクレームとして、ぶつけているのです。

したがって、クレームから逃げずに、むしろ貴重な情報源としてお客さまの要求・要望を素早く察知して、これらに沿うような行動をとることが対策の基本です。

また、最初の第一歩が大切で、例えば、上着の第一ボタンを掛け違うと、最後のボタンも食い違ってしまうように、クレームの初期応動を間違えると解決が長期化するばかりでなく、会社の根幹まで揺るがすこととなりかねません。

このために、第一対応者は感謝の気持ちを持ち、前向きに心を奮い立て誠実に取組むことが特に重要です。

それではクレーム対策の基本原則についてまとめましたので日頃から目を通し、いざというときにうろたえることのないようにしてください。

(1)クレーム対策の基本原則

○ クレーム対策の基本ポリシーを明らかにする

クレームから逃げずに、むしろ貴重な情報源として感謝の気持ちを持ち前向きに取組みましょう。

○ クレームは規模の大小にかかわらず全て管理者に報告する

○ クレーム対応は全ての業務に優先させる

○ 最初にお客さまの言い分をうかがう

最初の応対者である受付者は、クレームが自分の仕事から発生したつもりで、少しでもお客さまの感情を和らげてから担当者や管理者に代わりましょう。

「ご不自由をお掛けして申し訳ございません」

「ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」

・ 担当者がわからないときは、5W1Hで詳しくうかがい、管理者に相談する

○ 言い訳や反論をせずにお客さまの話に耳を傾ける

・ クレームの全ての面を聴く

・ まじめな態度で耳を傾け、先入観を持たずに聴く 

○ 直ちにお客さまにうかがう

・ 電話で謝っているより直接お会いした方が、お客さまの怒りは鎮まりやすい

・ また、事実も把握しやすい

○ 言葉づかいには特に注意を払う

・ 穏やかでわかりやすいよう表現を工夫する

・ 「当社の取扱いでは…」「私どもでは…」という表現は使わない

・ 担当者が来客中または会議中であっても、「来客中です」「会議中です」の表現は使わずに「外出中ですので、私吉田がうけたまわりますが、いかがでしょうか?」の表現を使う

・ 「わかりました」「一応うかがいます」などの表現は使わない

(「承知しました」「早速うかがいます」の表現を用いる)

・ 言葉で詫びるばかりでなく、誠実な態度でお客さまの心を和ませる

○ 用件・申出事項をできるだけ的確につかむ

・ お客さまがどうして欲しいのか、何を望んでいるかをつかむ

・ 電話だけで処理しようとしない

(2)クレーム電話の応対ポイント

電話応対の中でお客さまからのクレーム電話を受ける場合があります。

ベルが鳴り通常のように電話に出た途端に、お客さまから怒鳴られたら、誰しもモタついてしまうものです。一般的な用件についての電話応対では少々のミスがあっても大目に見てくれることもありますが、クレームの場合の応対ミスは火に油を注ぐ結果となりがちです。

さらに、クレーム電話ではお客さまの感情が高ぶっているので、お客さまの感情を鎮め、クレームの内容を的確に把握するためには、自分の仕事に関係なくても“会社の代表”として、お客さまの言い分をよくうかがうことが大切です。したがって、皆さんは、日頃からクレーム電話の応対のポイントを具体的に身につけておいてください。

4つのポイント

①会社の代表者として対応する

・ 第一対応者の応対いかんで事後の解決の可否が決まる

・ 自分の仕事から発生したつもりで、お客さまの言い分をよくうかがう。その上で「~のことでご不満なのですね。早速、内部で確かめた上、責任者からこ連絡いたします」と話す

・ 自分だけで解決しようとしない

②クレーム電話を受けた際の態度

○ お客さまの言い分を否定しない

・ クレーム対応者は、お客さまの気持ちのたかぶりを察し、途中でお客さまの話をさえぎらない

・ お客さまの言い分がたとえ不合理でも、理屈で相手をやり込めない

・ こちらが正しい場合でも、正当性を主張せず、気付かせる程度に止る

・ たとえ、お客さまのミスや勘違いであっても、「私どもの説明の不足でした」とお詫びし、決してお客さまに恥をかかせない

・ お客さまが名乗らないからといって、名前を聞き出そうとしつこく深追いしない

・ 匿名の電話には「たいへん貴重なご意見をいただきました。ご意見は今後の業務運営に生かさせていただきます」とお礼の言葉と自分の名前を名乗る

③自分の手に負えないクレームのとき

・ 自分の担当以外の仕事だからといって、よく話を聴かずに他の人に電話を回さない

・ 代わる場合、お客さまに「恐れ入りますが、わかる者に代わりますがよろしいでしょうか」と了解を得て、交代者に要件やクレームの概要を伝えてから交代する(たらい回しされたという印象を与えない)

・ 電話を保留する場合のオルゴール音は、イライラを増すことが多いので使用しない

④クレーム記録の整備の仕方(参考)

・ お客さまの意見・要望と当社の話した内容を主観を交えずに、ありのまま箇条書きする(話し言葉で書くのも良い方法)

・ 記録する際は、“お客さまの意見・要望”“当社回答内容”“備考”等に分けて記入する

・ “備考”は感じたことや、お客さまの表情・態度・状況などを記入する

・ お客さまにお会いし謝罪する場合、一人では対応しない

・ お客さまの了解を得た後にメモを取る(ご了解が得られなかった場合、一人は極力冷静に相互の話の内容を記憶しておき帰社後メモを取る)

・ クレーム対応の基本行動、ルールを明文化して徹底する

・ 解決後なぜ発生したか、原因は何か、今後どうしたら良いかを関係者間で検討し、再発防止策を練る







Ⅲ. 職場におけるハラスメントの防止対策

1. はじめに

セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは、「職場における相手の意に反する性的嫌がらせ」のことです。例えば、不必要に異性の体に触わったり、性的な冗談を言ったり、卑猥な図書を見せるなど、身体的・精神な嫌がらせを行うことを言います。

一方、セクハラと似た言葉で、パワーハラスメント(パワハラ)が最近話題となっています。 パワハラとは、上司が地位や職務権限を利用して本来業務の範囲を超えて、継続的に人格や尊厳を侵害する言動をとることによって、部下や非正社員(パートタイマー、契約社員、派遣社員)に精神的な圧力を加え、職場環境を悪化させたり、雇用不安を与えたりする“いじめ・嫌がらせ”行為を言います。

セクハラやパワハラ(ハラスメント)は、実際に問題化したときには、直ちに被害者の救済と行為者への対応措置を行うことが重要です。もし自分の会社が「ハラスメントを起こした会社」となった場合は、企業イメージの低下はもちろんのこと、社員のモラル低下など社内外に大きな打撃を与えます。

したがって、私たちは、これらの問題を未然に防止することは人権を守るための社会的使命ととらえ、前向きに取組む努力をしなければなりません。

(1)セクハラ行為の企業義務

改正男女雇用機会均等法の施行(平成19年4月)に伴い、企業はセクハラ行為の未然防止をはかるとともに、セクハラ行為が起きた場合の迅速適切な対応と問題の深刻化を防ぐための、“雇用管理上の必要な措置”を講ずることが義務づけられています。

なお、企業がセクハラ防止対策を講じず、是正指導に応じなかった場合には、企業名を公表されることがあり得ます。

企業の雇用管理上の必要な措置(主なもの)

○ 社長による方針の明示、周知・啓発

・ 就業規則、服務規程等へのセクハラ行為の対応方針を明記する

・ イントラネット、社内報、パンフレット等でセクハラ行為防止の啓発を行う

・ セクハラ行為の防止をはかるための研修会等を開催する

○ 相談・苦情への適切な対応をはかる体制の整備

・ 相談窓口を設け、担当者を定め、人事部門との連携をはかる仕組みをつくる

・ セクハラ行為発生時の対応マニュアルを整備する

・ 社外に相談受付業務を委託する(外部相談窓口の設置)

○ セクハラ行為発生時における適切な対応

・ 事実を迅速・的確に把握する

・ 事実の確認後、被害者の救済措置と行為者への対応措置を実施する

・ 被害者と行為者を引き離す配置転換を行う(原則として行為者を移動)

(注)被害者・行為者への対応はプライバシー保護に十分配意して行う

(2)セクハラの分類

○ 対価型・地位利用型

職務上の地位の利用または何らかの雇用上の利益の代償あるいは対価として、性的な要求が行われた場合です。

「言うことを聞けば、査定を高くしよう」

(昇進させてあげる)

「言うことを聞かなければ、配置替えする」

など、立場を利用して性的嫌がらせを行う場合

○ 環境型

ハッキリした経済的な不利益は伴わないものの、繰り返し行われることによって、職務の円滑な遂行が妨げられる場合で、就業環境を悪化させる性的言動や嫌がらせが行われた場合です。

① 発言:性的な冗談・からかい、食事・デートへの執拗な誘い、意図的に性的な噂を流す、個人的な性的体験などをたずねる、性的経験を話すなど

② 視覚:ヌードポスター、卑猥図画配布・掲示など、パソコンの壁紙、スクリーンセーバの表示

③ 行動:性的関係の強要、身体への不必要な接触、強制わいせつ行為など

(3)環境型の判断基準

○ 回数だけではない

性的な言動か否かの判断基準としては、その性的言動が、どの程度、繰り返し行われているかが重要な判断基準となります。

なお、問題となった性的言動が被害者にとって著しく悪質な場合は、一度の言動でもセクハラとなります。

○ 女性の立場で考える

“意に反する”言動とは、女性の“望まない”言動であって、“不快な”ものを言います。男性は親しさを表わすつもりでも、女性が不快に感じていることがあることを女性の立場にたって考えてください。

○ 被害者の不快な気持ちが大切

“不快な”言動かどうかの判断基準は、一般的な女性の感じ方が判断基準となりますが、被害者が普通以上に性的感受性が強く本人が不快の感情を示したにもかかわらず、性的嫌がらせが繰り返された場合は、一般的な女性の感じ方にかかわらず、被害者の気持ちを判断基準とします。

(4)職場外でも起きる

カラオケのデュエットの強要、職場旅行での浴衣の強制、宴会でのお酌の強制、座席の指定、余興での度を超えた悪ふざけなどもセクハラ行為です。

(5)セクハラの受け止め方の差

○ 男性と女性の受け止め方の差を知る

男性が、「これくらいは許されるだろう」「軽い冗談のつもり」と思う言葉や行動でも、女性にとっては耐え難いことがあります。また、同じ女性の間でも、感じ方に個人差があります。勝手な推測や思い込みをしないことが大切です。

○ 不快な言動には「ノー」の意思表示を

女性は、「不快だ」「望んでいない」と感じたら、男性にその言葉や行動がセクハラだということを伝えるために、勇気を出して「やめてください!」と意思表示をしてください。

○ 被害者の気持ちになって考える

男性は、一般的にセクハラについて軽く受け止めがちです。自分の奥さんや娘さん、恋人がそうした言葉や行動で嫌がらせを受けたらどう感じるかを考える習慣をつけ、日頃から言動に十分注意しましょう。

被害者の立場からセクハラを考える

・ 奥さんや娘さんが他の男性にされたらどうか

・ 子どもが見ていたらどうか

・ イントラネット、社内報などで取り上げられたらどうか




2. 男女平等の職場環境づくり

“お茶くみは女性の仕事”“女性は男性の仕事の補佐をする”といった思い込みも、セクハラを生む土壌となります。男性の役割と女性の役割に対する固定的な考えをもたないことがセクハラ防止につながります。

セクハラは、職場にある日突然起きる訳ではありません。これは、日頃の意識や職場環境、習慣に深い関係があります。したがって、お互いの意識変革に努めるとともに、職場内だけでなく職場の仲間との宴会や社員旅行など、仕事から離れた場所での言動にも注意したいものです。




3. パワハラの起きる背景と問題点

(1) 起きる背景

バブル崩壊後の10年間において各企業は生き残りをかけて人員削減策をはじめ、正社員から非正社員への切り替えを積極的に進めた結果、正社員一人当たりの業務量が過重となり、そのいらだちを弱い立場の者に向ける傾向があります。

さらに、目標管理に基づく成果主義の導入や賃金テーブルの見直しが行われたことに伴い、予想外の減収や将来の不安材料が増していることも背景にあると言われています。

また、親や教師から厳しく叱られたこともなく育った若者の一部には、少し厳しい叱責でも、いじめ・嫌がらせを受けたと思いやすい傾向があります。

(2) パワハラのケース

ケース 具体的内容
言葉による暴力 人前での罵倒、人格の否定、性格・容姿をなじる、違法行為の強要
身体的虐待 殴る、蹴る、つつく、ネクタイや髪の毛をつかむ、土下座をさせる
精神的虐待 無視、仲間外れ、情報の遮断、目の前にいる部下へのメール
経済的な妨害等 能力や業績によらない昇進・昇格の妨害、退職勧奨、契約の破棄

(注)非正社員に対するいじめ・嫌がらせを含む

(3) パワハラ被害を受けやすい人

○ 自立心が弱く、自分の意見や「ノー」を言えない人

○ 優柔不断で素直な人

○ 協調性に欠け、友人がいない人

○ 1人でコツコツ仕事をする人

(4) 問題点

○ 自分の言動がパワハラと自覚していない管理者もいる

親分肌で「俺についてこい」タイプの管理者の一部には、厳しく指導することが管理者の役割と思い込んでいるきらいがあります。

○ 心の風邪をひくおそれがある

パワハラを継続的に受けた被害者は、心身に支障をきたすおそれがあります。

ひどい場合には、出社できなくなったり、通院や入院を余儀なくされたりします。

○ 職場の士気、モラルの低下を招く

恒常的にパワハラが行われている職場では、同僚も「また始まった」との思いから職場の雰囲気も暗くなり、労働意欲やモラルの低下を招きます。




4. 社員行動指針

○ 明るい職場づくり

セクハラやパワハラは、私たちの働く意欲を阻害し、職場秩序を乱し、職場環境を悪化させるものであるとの認識に立ち、“自分で行わない”“見て見ぬふりをしない”“許さない”ことを誓い、公正で明るい職場づくりに努めましょう。

ハラスメントを… 

・ 自分で行わない

・ 見て見ぬふりをしない

・ 許さない

○ セクハラに関する男性社員の言動

セクハラは女性を対等なパートナーとして見ず、性的関心や欲求対象として見る意識のあり方から生まれることを認識し、女性をイコール・パートナーと自覚し、女性の気持ちを尊重し共同して働くことに努めましょう。

○ セクハラに関する女性社員の言動

性的言動に対する受け止め方は、個人によって差があることを認識し、性的言動で不快と思う場合は、明確にその旨を意思表示することを通じ再発の防止と問題の深刻化を防ぎましょう。

○ パワハラに関する管理者の言動

管理者は、自らの行動によって部下や非正社員が仕事や職場生活での強いストレスを感じないように注意し、指導してください。




5. 相談・苦情窓口

セクハラやパワハラについての苦情や相談は放置せず、できるだけ早期に次のいずれかにご連絡ください。相談者のプライバシーは厳重に保護いたしますので安心してご相談ください。

○ ハラスメント相談窓口

【担当部署名、担当者、電話番号などをご記入ください】




6. 行為者に対する社内での措置と責任

セクハラやパワハラは、社員就業規則に定める服務規律に違反する行為です。行為者は「懲戒」を含めた人事上の措置の対象となるばかりでなく、次のような法的責任が問われます。

・ 刑  法 … 強かん、強制わいせつ行為、暴力行為

・ 軽犯罪法 … のぞき

・ 民  法 … 損害賠償







Ⅳ. 企業倫理の遵守と情報の保護

1. はじめに

私たちは、ときに自分の行動が法令に照らして正しいかどうか省みることが必要です。たとえ愛社精神に基づく行為でも、法令に反していないかチェックすることが大切です。特に、自分では正しいと思っていても、実際には違法行為の場合もあるからです。なお、この法令とは、狭い意味の法律や政令を意味するものではなく、契約、慣習、社会通念、常識、商道徳、公序良俗と言ったものにも意識を向け、常に個々の活動が企業倫理に則しているか確認することが重要です。

なお、企業は「公益通報者保護法」の施行(平成18年4月)により従業員等が公益目的の通報をしたことを理由とする解雇、労働者派遣契約の解除の無効はもとより降格、減給、派遣社員の交代を求めるなどの不利益は扱いを禁じられています。




2. 企業倫理遵守に関する「行動憲章」と行動のチェック

企業はお客さまのゆるぎない支持がなければ存在し得ませんし、発展していくこともできません。このため最近では、ほとんどの企業で「行動憲章」を定め社内外に発表しています。

この「行動憲章」は、私たち一人ひとりが働く上での意識や行動の基本的な骨組みやよりどころでもあります。

私たちは、自社の「行動憲章」(自社のものがない場合には「JISA行動憲章」を参照)を熟読し正しい行動をとるよう努めてください。


<ワンポイントチェック>

行動のチェック

あなたは、次の全ての項目に無条件で「はい」と答えられますか。

□ あなたがとろうとしている行動は、正しいですか。

□ 相手の人格を無視していませんか

□ 家族・友人に自信をもって話すことができますか

□ 公衆の視線に耐えられますか

□ 倫理を重んずる自社の名声を守れますか




3. 情報セキュリティ

(1) 知的財産の保護

知的財産とは、人間の知的生産物のことです。情報サービス業界における知的財産権には、大きく分けて特許権、商標権、著作権、ビジネスモデル特許などがあります。この知的財産権は、法律によってその著作者や企業に権利が保障されており、次の二つの面から考える必要があります。

①他社の権利を侵害しない

他社の知的財産権を侵害しないことです。具体的には、他社が商品として販売しているソフトウェアを無断でコピーしたり、他社のソフトウェアのロジックや画面レイアウトまたはボタンなどの設計仕様を無断で使用したりすることが挙げられます。

なお、他社の知的財産権を侵害した場合には、その行為の差し止めをはじめ、製品の破棄・回収、損害の賠償請求など物質的損害や社会的信用の失墜というダメージを受けます。

②自社の権利を守る

一方、自社の保有する知的財産権が他社から侵害された場合には、獲得できたはずの利益や営業機会の損失などの被害を被ります。この場合には、被害の排除と損害賠償請求権が発生します。

このため日頃から知的財産権に関する知識を深め、判断が難しいケースやわからない場合には、専門部署と相談してください。

知的財産権の種類


<ワンポイントチェック>

他社ソフトウェアの無断流用(著作権法違反)

・ 個人に対して、3年以下の懲役または300万円以下の罰金

・ 企業に対して、1億円以下の罰金

(2) 情報資産の管理

社内には電子媒体や紙媒体などのさまざまな形態の情報があります。例えば、住所、氏名、電話番号、職歴などの個人に関する情報(個人情報)や、会社の経営に関する情報(経営情報)、また、お客さまからお預かりした情報(預託情報)などです。

これらの情報資産を管理することは、単に鍵をかけて管理の徹底をはかることではありません。「必要に応じて」「必要な情報を正確な内容で」「許可された人だけが利用できる」ような状態に保つことが求められています。

(3) 情報セキュリティの必要性

会社の仕事は、お客様の信頼の上に成り立っています。

情報資産は、機密性、完全性、可用性のいずれか一つに問題があれば、事業の継続が不可能になるおそれもあります。

○ 機密性(漏えいなどから保護する)

重要な情報が外部に流出しないよう機密性が保たれることが重要です。不正アクセスや過失によって重要な情報が外部に流出すると、データの回収は事実上不可能ですし、悪用されるおそれがあります。

○ 完全性(正しい内容で維持する)

例えば、お客様への納品の際に、注文された商品を適切な納期で希望の場所に納められるよう完全性が保たれていることが重要です。

○ 可用性(必要なときに利用できる状態にする)

例えば、お客様からの問合せなど直ちに対応できるよう可用性が保たれていることが重要です。

情報資産の管理上で問題を起こした場合、お客さまは会社に対して、「大切な物を管理できない会社」「職務を的確に遂行できない会社」として、信頼は失墜し、仕事を任せてくれなくなります。

(4) 情報セキュリティを管理する仕組み

多くの会社では情報を管理する仕組みとして、情報セキュリティマネージメントシステム(ISMS)を導入し、情報資産の取扱いを細かく定め、的確に情報資産を保護、管理しています。

これらの仕組みが、第三者による客観的評価によって、一定のレベルにあることを確認するため、財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)が実施するISMS認証制度による審査を受け、認証を取得します。

(5) 主な情報セキュリティ保護策

次の保護対策を実行することによって、情報漏えいはある程度防ぐことができます。

① パソコンのロックと電源を切断する

・ 離席時にパソコンを不正使用されないようにロックする。

・ 長時間の離席や外出する際には、パソコンの電源を切る。

② カバンに入れたノートパソコンを盗まれない

・ 電車・バス内では、カバンなどを網棚の上に置かない。座る際は膝の上に、立つ際には両足の間にカバンを置く。

・ 車では、座席にカバンを放置したまま、車を離れない。

・ タクシーでは、置き忘れないように降りる側にカバンを置く。

・ ショルダーバッグは、肩から外さない。

③ パスワードの設定を定期的に変更する

パスワードの設定は、半角英数字や特殊記号の組み合わせなどで行う。IDから類推されやすいものや、誕生日・電話番号・などを使用しない。また、定期的にパスワードを変更する。

④ お客さま情報や社内の重要情報は、社外に持ち出さない

・ やむを得ず持ち出す場合は、所定の手続後に情報管理責任者の許可を得てから持ち出す。

・ お客さまからお預かりした情報は、一旦帰社し所定の場所に保管した後に帰宅する。

⑤ 資料はすぐ戻す

資料は使用後、机上に放置せずすみやかに所定の場所に戻す。

⑥ 書類は放置しない

コピー機やファクシミリに書類を放置しない。

⑦ 不審者に声をかける

不審者を見受けたら、「どちら様でしょうか」「どなたをお尋ねですか」「どのようなご用件でしょうか」など、声をかける。




4. 個人情報の保護

近年、電子化された情報を情報通信ネットワークを介して大量にかつ高速に処理することができるようになりました。これらの情報の中には、さまざまな性質のものがありますが、個人情報と呼ばれる情報も少なくありません。

個人情報は、個人の基本的人権に係る重要な情報であり、その保護については国際的にもさまざまな政策が展開されてきました。

わが国では、平成12年10月に、個人情報の適正な取扱いに関する基本となる事項を定めることにより、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利や利益を保護することを目的とした「個人情報保護基本法制に関する大綱」が決定されました。そして、この内容を踏まえて、平成17年4月に「個人情報の保護に関する法律(以下、「個人情報保護法」)が全面施行されました。これに伴い、個人情報の取扱いについては、公共機関のみならず民間企業も法的に規制されることになりました。

(1) 個人情報保護の重要性

○ 個人情報の定義(個人情報保護法参照)

(2) 個人情報保護の方針

① 法令の遵守

私たちは、個人情報に関する法令及びその他の規範(ガイドライン等)に準拠し

策定した個人情報に係る社内規則等を遵守します。

② 個人情報の収集、利用、提供

私たちは、個人情報の収集にあたって、適正かつ公正な手段によることとし、利用及び提供に際しては収集目的の範囲内で行います。

③ 個人情報の適正な管理

私たちは、個人情報への不正アクセス、紛失、破壊、改ざん及び漏えい等を防止するために適切かつ合理的な措置を講じます。

④ 社内教育への参加

私たちを対象に開催される個人情報の保護に関する教育に積極的に参加します。

⑤ 個人情報保護マネジメントシステムの監査・改善

私たちは、個人情報が適切に保護されているか定期的に内部監査を実施し、個人情報保護マネジメントシステムを継続的に見直し、改善に努めます。

(3) 個人情報の漏えいなどによる被害

最近、世の中で個人情報に係る事故や事件が頻繁に発生しマスコミを騒がせています。その主なものは、個人情報の紛失・漏えいをはじめ、個人情報への不正アクセス、破壊、改ざんなどが挙げられます。このような場合には、漏えいされた個人や事故・事件を起こした者を抱える企業に、次のような甚大な被害を与えます。

○ 個人の被害

個人情報は、ひとたび漏えいしてしまうと、その後の使われ方について追跡することができません。ダイレクトメールや勧誘の電話に悩まされるようになったり、クレジットカードなどの偽造によって、本人になりすまして悪用されたりする被害が起こりかねません。

また、漏えいしてしまった個人情報は、削除や回収することがたいへん困難です。

○ 企業としての被害 =情報サービス産業の担い手として=

個人情報に係る事故・事件を引き起こした場合、その損害賠償が必要になるだけでなく、企業としての社会的信用が失墜します。特に情報サービス企業では、業務上膨大な情報を取扱いますので、これらの事故や事件は事業存続の致命傷にもなりかねません。しいては業界全体の成長の妨げにもなります。

(4) 漏えい事件の発生に関する罰則と賠償責任

① 漏えい者の責任

漏えい者自身は、被害者である本人から不法行為に基づく損害賠償請求を受ける可能性があるばかりでなく、名誉を著しく傷つけたり、その人の業務を妨害したりした場合には、名誉毀損罪や業務妨害罪が成立します。

② 漏えい者に対する企業の責任追及

漏えい者が従業員の場合には、当該企業は雇用契約や就業規則に基づき損害賠償責任を追及するとともに、状況により懲戒処分の対象とします。

さらに、不正競争防止法(企業の営業秘密を保護する法律)や民法の不法行為の規定に基づく損害賠償請求を行うこともあり得ます。

個人情報を記録した媒体を無断で持ち出したり盗んだりした場合には、窃盗罪、横領罪として告訴します。

また、アクセス制御しているコンピュータに不正アクセスして個人情報を取得した場合には、不正アクセス罪等で告訴します。

③ 漏えい事件を起こした場合の当該企業の責任

当該企業の責任は、漏えい者が内部者と外部者で異なります。

○ 内部者による場合

従業員や業務委託先が行った第三者に対する漏えい行為は、当該企業として「使用者責任」を問われます。

当該企業と漏えいされた個人との間になんらかの契約があり、この契約に基づく個人情報の提供を受けていた場合には、当該企業は、契約違反となり損害賠償責任を負わなければなりません。

さらに、個人情報保護に基づく従業員に対する監督責任違反となり、主務大臣への報告義務や勧告・命令の対象となり、命令等に違反した場合には、罰則が科せられます。

○ 外部者による場合

当該企業の外部者が個人情報の漏えい事件を起こした場合としては、窃盗やハッカーによる不正アクセスをはじめ、取引先の従業員等による漏えいなどがあります。

このような場合には、当該企業は、個人情報保護法に基づく安全管理措置義務違反の責任と民法上の不法行為責任や契約上の責任も問われます。

(5) 個人情報保護に係る企業・団体の具体的な取組み

○ 個人情報保護マネジメントシステムの継続的改善

個人情報を取扱う企業・団体は、個人情報保護に係る法令等の遵守を目的としたマネジメントシステムを構築する義務を負っています。具体的には、「個人情報保護方針」(社長名で社内外に対して自社の個人情報保護に取組む姿勢を文書化したもの)を定め、策定した個人情報保護マネジメントシステム(PLAN:個人情報保護に係る社内規則・マニュアル類の整備、社員教育・監査計画の策定、DO:実施・運用、CHECK:監査・見直し、ACTION:改善策の策定)を社長自らが定期的に見直しをすることを通じ、個人情報保護意識の徹底をはかるものです。さらに、個人情報保護マネジメントシステムの継続的改善を担当する責任者や部署を定め、各部署における個人情報保護システムの現状を見極め、その適切性、妥当性、有効性の継続を確保し、必要と判断された場合には改善策や新たな方策を展開するものです。したがって、私たち一人ひとりは、日頃から個人情報保護に係る社内規則やマニュアルをよく読み意識を高めるとともに、個人情報の収集、利用、提供、管理上の基本的ルールを守り、顧客からの個人情報の開示、訂正、削除請求に対し適切な対応ができるよう知識を深めておくことが特に重要です。

○ プライバシーマークの認定

プライバシーマーク制度は、経済産業省の提唱に基づき、財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)を中心に、情報サービス産業協会を含む経済産業省所管の業界団体が集まり、平成10年4月に創設した制度です。プライバシーマーク認証基準(JISQ15001)に準拠した個人情報の適切な保護措置を講じている企業・団体をJIPDECとして認定し、その旨を示すプライバシーマークの付与と事業活動にこのマークの使用を認めるものです。

また、社会に対しては、個人情報保護の取扱いが適切であることを「プライバシーマーク」というロゴにより目に見える形で示し、個人情報保護に関する意識の向上をはかるもので、企業・団体の個人情報保護に関する信用を裏付けるものです。

このマークの有効期間は2年間であるため、継続して使用する場合には、2年ごとにJIPDECの審査を受け更新する必要があります。

なお、JISQ15001に違反し、個人情報を漏えいさせるなど、漏えいされた本人の権利・利益を著しく損なった場合には、プライバシーマークの認定が取り消され、その旨が公表される措置が講じられます。




5. 不正アクセスは犯罪行為

不正アクセス行為には、他人のID・パスワードを無断で使用するいわゆる“なりすまし行為”と、他社や他人のセキュリティ・ホールを攻撃してコンピュータに侵入し正常の働きを妨害する行為があります。

また、不正アクセス行為を助長する行為として本人に無断でID・パスワードを第三者に知らせる行為もあります。

権限のない者が、他人のID・パスワードを無断で使用すると「不正アクセス禁止法」により罰せられます。(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)

不正アクセス行為の種類

※1 踏み台

他人のコンピュータに攻撃を仕掛ける際に、自分の身元がわからないように、別のコンピュータに侵入し、そこを攻撃の拠点とする“なりすまし”の行為の一つ

※2 DoS攻撃

ネットワークを通じて行う攻撃の一種。相手のルータやサーバなどに不正なデータを送信し使用不能に陥らせたり、大量の無意味なデータを送信してサーバに過剰な負荷をかけて相手のネットワークを麻痺させる攻撃。




[参考]

JISA行動憲章 

情報サービス産業CSR(企業の社会的責任)宣言十箇条 平成18年5月制定

我々JISA会員は、社会の情報基盤を提供する基幹産業の一員としての立場を自覚し、高い企業倫理と職業倫理をもって、市場と取引と経営の透明性を高め、人を大切にする魅力ある産業となるべく努力し、健全な情報化社会の発展に貢献する。

また、法令・社会規範の遵守、人間尊重、社会・経済との融合、自由で主体性ある事業活動の保持、社会的良識と責任ある行動により、自らが魅力ある産業へ成長することを宣言する。

そして、情報技術により、少子高齢化社会に豊かさと調和をもたらし、グローバリゼーションと地域固有文化の伝承を両立させ、未来にかけがえのない地球環境を残し伝えていくことをここに誓う。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

①基幹産業としての社会的役割を自覚し全うする

我々は、わが国の基幹産業として、社会の健全な発展と公共の福祉に貢献する。

②高品質かつ安全性・信頼性に富む情報サービスを提供する

我々は、わが国の情報化の進展に貢献するため、品質・生産性重視の卓越した開発プロセス管理を実践することにより高品質なソフトウェアを構築し、安全性・信頼性に富む情報サービスを提供する。

③知的財産の価値を正しく認識し尊重する

我々は、ソフトウェアをはじめ情報サービスの価値を正しく認識し、知的財産としてこれらを重視し、適切に保護・活用する。この価値を否定するような行動は如何なる理由があろうと一切容認しない。

④法令及び社会規範遵守の経営を実践する

我々は、内部統制システムの的確な運用を通じ、会計関係を初めとする各種法令及び社会規範を遵守し、社会や株主への適時・適正な情報開示に努める。また、個人情報及び機密情報を適切に保護し、健全な情報化社会の実現を妨害する反社会的勢力とも毅然と抵抗していく。

⑤事業活動と情報サービス市場の透明性を確保する

我々は、ソフトウェアをはじめ情報サービスをという目に見えにくい価値や資産及び機能を提供しているが、その生成プロセスや成果を可視化することにより、事業活動の透明性向上を図る。そして、自由で公正な市場競争を実現し、透明かつ健全な情報サービス市場の確立と維持に真摯に取り組む。

⑥優秀な人材が育ち活躍できる環境を確立する

我々は、情報サービス産業の最大の経営資源は人材であることを認識し、人材の育成と高度化、適正な評価と魅力ある処遇、ワーク・ライフ・バランスなどを実現し、社員ひとり一人が将来を託し夢をかなえられる環境を確立する。

⑦情報技術のプロフェッショナルとしての自覚と職業倫理を保持できる環境を確立する

我々は、情報社会における情報サービス産業の重要性・将来性を周知し、産業のブランド・イメージを高め、働くひとり一人が情報技術のプロフェッショナルとしての誇りと自覚そして崇高な職業倫理を保持できる環境を確立する。

⑧新たな夢と可能性にチャレンジする経営を実践する

我々は、モラルと理想を持ち、情報サービス市場の発展・拡大を図り、自らの英知と努力によって適正な利益を確保する。さらに国際展開など広い視野に立ち、新たな夢と可能性にチャレンジする経営を実践する。

⑨経営者は自らの責務として本宣言を実践する

我々は、本宣言の実践が責務であることを認識し、経営トップ自らが率先垂範の上、社内に徹底するとともに、グループ企業や取引先に周知を行う。また、社内外の声を常時把握し、実効ある社内体制の整備を行うとともに、企業倫理の徹底を図る。

⑩業界のモラルと自浄能力を維持・向上する

我々は、自社内及び自社グループ内において本宣言に反する事態が発生したときには、経営トップ自らが問題解決にあたる姿勢を内外に明らかにし、原因究明、再発防止に努める。また、社会への迅速かつ的確な情報の公開と説明責任を遂行し、自らを含めて厳正な処分を行うことにより、業界の信頼回復に努める。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

協会は、本宣言に同意しかつ企業活動により産業の信頼と信用を高めることに貢献する企業で構成する。

JISA 社団法人 情報サービス産業協会




[参考]

個人情報の保護に関する法律の概要(抜粋)

1.目的

個人情報の保護に関する法律は、高度情報化通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利と利益を保護することを目的としています。

2.基本理念

個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取扱われるべきものであることに鑑み、その適正な取扱いがはかられなければなりません。

3.個人情報取扱事業者の義務

・ 利用目的の特定化、当該目的達成に必要な範囲内での取扱い

・ 適正な取得、取得する際の利用目的の通知等

・ 同法で定められた場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供することの禁止

・ 個人データを正確かつ最新の内容に保つよう努める義務

・ 個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じる義務

・ 個人データの安全管理がはかられるよう、従業者・委託先に対する必要かつ適切な監督を行う義務

・ 利用目的、事業社名、開示などに必要な手続の公表

・ 本人から当該本人が識別される保有個人データの開示、訂正、利用の停止等の申し出があった場合の開示、訂正、利用の停止

・ 苦情処理体制の整備を行い、個人情報の取扱いに関する適切かつ迅速な処理に努める義務

4.罰則

主務大臣の是正・中止命令に違反した場合、罰則が科せられます。




[参考]

公益通報者保護法の概要(抜粋)

公益通報をしたこと自体を理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護などを図るものです。

1.目的

公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に係る法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資すること。

2.公益通報の対象

以下の事実が生じ、又は、まさに生じようとしている場合

①個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保、その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に係る法律として別表に掲げるもの(これらの法律に基づく命令を含む)に規定する罪の犯罪行為の事実

②別表に掲げる法律の規定に基づく処分に違反することが、①の事実となる場合における当該処分の理由とされている事実等

(別表)

刑法、食品衛生法、証券取引法、JAS法、大気汚染防止法、廃棄物処理法、個人情報保護法、その他政令で定める法律

3.公益通報者の保護

労働者(公務員を含む)を以下のように保護

①公益通報をしたことを理由とする解雇の無効

②労働者派遣契約の解除の無効

③その他の不利益な取扱い(降格、減給、派遣労働者の交代を求めること等)の禁止

4.通報先と保護要件

通報先に応じて保護要件を設定

①事業者内部:不正の目的でないこと

②行政機関 :不正の目的でないこと、真実相当性を有すること

③事業者外部:不正の目的でないこと、真実相当性を有すること、かつ次の一定の要件を満たすこと

・ 内部通報では証拠隠滅のおそれがあること

・ 書面による内部通報後20日以内に調査を行う旨の通知がないこと

・ 人の生命・身体への危害が発生する急迫した危険があることなど

5.通報者・事業者及び行政機関の義務

①公益通報者が、他人の正当な利益等を害さないようにする努力義務

②書面による公益通報に対して事業者がとった是正措置等について公益通報者

に通知する努力義務

③公益通報に対して行政機関が必要な調査及び適切な措置をとる義務

④誤って公益通報をされた行政機関が、処分権限を有する行政機関を教示する

義務

6.その他

本法は、労働基準法第18条の2(解雇権濫用の法理)の適用を妨げない







Ⅴ. 社会生活のマナーとルール

1. はじめに

世間では、人間関係や家庭内の問題(教育・介護・離婚)などの多様化・複雑化に伴い、メンタル、多重債務、失踪、自殺、刑事事件等が増加する傾向にあります。このようなことは、自分には関係ないと考えがちですが、誰もが当事者となる危険性を秘めています。

この章では、こうした問題やトラブルを未然に防止するとともに、万一発生してしまった場合の対応方法を示しますので、会社や家庭生活で役立ててください。

なお、仕事・人間関係・健康・金銭などの心配事がありましたら、友人をはじめ経験豊富な上司や専門知識を持つ人事・労務関係者に相談することをお勧めします。勇気を持って相談することが解決の第一歩です。




2. 人権を尊重する

(1)差別をしないために

会社生活のあらゆる場面で、人権(身分、門地、人種、信条、性別等)に関する不当な差別をしないように人権意識を高めてください。仮に差別をするような言動をし、「差別するつもりは全くなかった」と主張しても、多くの場合は「人権意識の欠如」によると、社会から厳しくとがめられます。

特に留意すべきこと

○ 差別用語を使わない

身分・職業・身体、性・国籍等差別につながる用語を知り、社内外での発言・文書にこれらの用語を使用しないようにしましょう。

○ 飲酒の席では特に注意する

飲食店などで飲酒するときは、人権意識を忘れがちです。飲んでうっかり問題発言をしないよう慎みましょう。

(2)“いじめ”をしない

殴る、蹴る、誹謗(ひぼう)中傷(ちゅうしょう)、罵詈(ばり)雑言(ぞうごん)などを行うことはもとより、部下や後輩を育てる熱意や愛情の表れだとしても、体罰は許されません。

また、悪い噂を立てる、職場で除け者にすることも重大な人権問題につながります。




3. 正しい金銭感覚を持つ

わが国の「クレジット」や「キャッシング」などの消費者信用の利用は、1世帯当たり約150万円と言われるほど一般化しています。これに伴い自己破産の申立件数は、平成17年(2005年)は18万件を超え、平成17年までの5年間で累計100万件を超えています(最高裁の発表)。また、経済的理由による自殺者も毎年8千人を超える実態にあります。

この原因は、自己の支払い能力を超える借り過ぎや、不況による予想外の減収、法外な高利を取るヤミ金融の広がりが背景にあり、借金や高利で膨れ上がり個人的に解決ができなくなった債務者が、裁判所に破産免責を求めるケースが増えていることによります。このような状況に陥らないためには、次のことに注意が必要です。

(1)クレジット・ローンは“身の丈”の範囲で

○ クレジット・ローンの落とし穴

カードで手軽に借金ができる、商品購入代金の分割払いができるなどキャッシュレス社会になって久しいため、債務を抱えることに対する抵抗感や危機感が薄れています。このため多額の借金を返済できず親に借金を肩代わりしてもらったり、退職金で穴埋めしたりするケースが発生しています。

多重債務を抱えるようになる要因は、会社や家庭での各種の不安・悩み、性格の弱さなどからくるギャンブル、酒、異性への貢ぎ、豪遊、身分不相応な物品の購入などが主なものです。

クレジットやサラ金からのキャッシング利用は手軽で便利ですが、利率の高さ・取り立ての厳しさなどをしっかり認識しないと身の破滅となります。

「借金は自由な人間を奴隷にする」を肝に銘ずることが大切です。

持ち家・結婚・子供の誕生・養育、家族の入院など、人生には大きな節目や不慮の災難が発生し、その都度出費がかさみます。このようなことを踏まえ、計画的に貯蓄をする習慣を身につけましょう。

例えば、商品やサービスを購入する場合、今、本当に必要な物なのか、後でも良いならその分、貯めておく習慣をつけることが大切です。


<ワンポイントチェック>

クレジット・ローンを賢く利用する10カ条

①必要を考えて

本当に必要か、購入をあきらめるか、現金払いにするか、クレジット払いにするか、家計や支払いのことを考えて選択する。

②契約条件の確認

カードを作る前に利率、手数料、支払方法などの契約条件をよく読み確認する。

③自分サイズの利用

クレジット・ローンの返済で家計に無理を生じないよう自分なりの利用限度額を決めておく。

④カードは何枚も作らない

沢山のカードを持っていると、ついつい使ってしまい、借入残高が膨らむばかりでなく、借入残高を管理しきれなくなる。また、不要なカードは返却する。

⑤利用明細を確認する

売上票(買物時のレシートなど)の金額を確認してからサインや暗証番号を入力する。売上票を保管しておき、利用明細(引き落としの明細)と照合し、間違いがないか確認する。

⑥月々の支払いを把握する

売上票・借入票(カード使用時に受け取る伝票)で、その月の支払いや返済がいくらになるか把握する。

⑦返済期日に気をつける

返済期日を手帳やカレンダーに印をつけて忘れないようにする。

⑧借金はできるだけ早く返す

借りている間に利息が膨らむ。貸主の顔を思いうかべ、「何で私があの人を食べさせてやらなければいけないか」と考えると歯止めがかかる。

⑨カードを他人に貸さない、なくさない

カードを他人に貸すのは禁物。保管に気をつけ紛失・盗難にあったら直ちにカード発行会社と警察に届け出る。

⑩連帯保証人・保証人にならない

保証した借金を自分が返済しても良いと覚悟したときだけ連帯保証人や保証人となる。

(2)ギャンブル中毒・ブランド品依存症にならない

ギャンブルは、競馬・競輪・競艇・パチンコ・スロットマシンなどがあります。この内パチンコ・スロットマシンは最近ギャンブル性がますます高まっています。これらのギャンブルは、一度のめり込むと常習化する傾向が強く、借金・不正の要因になるばかりでなく家庭崩壊にもつながるものです。

一方、ブランド品を身につけたい・使いたい、海外旅行に出かけたいなどの欲望にかられますが、欲望には限界がありません。本当に必要なものか、家族やまわりの人に相談し良く考えてからにしましょう。

○ ギャンブル中毒

次のような気持ちが働き、次第に深みにはまってゆきます。

①休日は競馬場へ出勤

「特に興味もないので休日は手持ちぶさたで困る。そこで朝から競馬場に入り浸り」

②1回大当たりすればの夢

「2~3万円程度の借金は、1回大当たりすれば、すぐに返済できるさ!」

③無意識のうちにパチンコ台の前

「僕は独身。家に帰っても誰もいない。会社の帰り道に夕食を食べたあと、まっすぐ帰って寝よう…」と思ったが、無意識のうちにパチンコ店に入り台の前に座っていた。

○ ブランド品依存症

私の美貌を引き立てるブランド品

ブランド品をショーウィンドーで見つけると是が非でも欲しくなり、「現金を持っていなくてもカードがあるから簡単に買える」と思い、買った後にいつも後悔している。

○ ギャンブル中毒・ブランド品依存症から抜け出すには

ギャンブル中毒やブランド品依存症、インターネットの買い物中毒から脱却するのは簡単ではありません。本人の努力はもとより家族の次のような協力が必要です。

①カードを持ち歩かない

カードを持ち歩いているから安易に借入や買物に使ってします。

カードを持たない、または持ち歩かないことが重要です。カードを親や配偶者に預けるか、契約を破棄しましょう。

②携帯電話を悪用されない

ヤミ金融業者が携帯電話を通じ融資の働きかけをしてくることがあります。知らない相手の電話番号に掛けたり、サイトをのぞいたりすると、悪質業者のワナにはまります。自己の責任において携帯電話を管理しましょう。

③住居の移動

自由気ままな一人暮らしが自分を甘やかすもと。親元に戻るのも一つの方法です。 

④運動・趣味を持つ

暇すぎることが誘惑に負ける原因。熱中できる運動や趣味を持ちましょう。

⑤自助努力グループに加入

各地にギャンブル中毒、買物依存症から立ち直るための自助努力グループがあります。ここに加入し、メンバーとともに努力するのも良い方法です。

⑥カウンセリングを受ける

精神的な弱さが原因のことが多いと言われています。カウンセリングを受けることも効果的です。

(3)ヤミ金融に手を出さない

○ ヤミ金融の特徴

ヤミ金融とは、主たる営業所等の所在地を管轄する財務局長または都道府県知事の登録を行わずに貸金業を営んでいる業者、もしくは登録をしているものの法定利率以上の高金利を取っている業者を言います。

法律で決められた上限金利を超える金利を取ると罰せられますが、ヤミ金融はこれをはるかに上回る暴利(例えば10日間で5割、年1,825%などの金利)を取られ、取り立ても厳しく熾烈です。

○ ヤミ金融の怖さ

10日間で5割以上という暴利では、利息が利息を生み瞬く間に借金地獄に陥ります。厳しい取り立ては手段を選ばず行われ、自宅・実家・職場へのハガキ・電話・訪問など厳しく行われます。このような状態では、仕事も手につかず不眠症や神経症になりかねません。さらに取り立てがエスカレートすると、借金の工面のため他の業者からの借入を強要し、連れ回される事件に遭うおそれもあります。

このように、多重債務が雪だるま的に大きくなると、借入先や返済期日・金額がわからない自転車操業状態となって、自己管理ができなくなり、最終的には自己破産や退職して退職金で返済せねばならなくなります。


<ワンポイントチェック>

ヤミ金融の種類・手口


<ワンポイントチェック>

ヤミ金融に手を出さないための3ヵ条

(4)金銭上の不正行為をしない

不正行為は、必ず発見されます。発覚すると直ちに重い懲戒処分を受けることになります。重大な不正行為は業務横領罪で罰せられる場合もあります。

世間で発生している金銭上の不正行為の事例を挙げると次のようなものがあります。




4. 楽しく飲酒をするために

(1)飲酒の効果

酒は“百薬の長”とも言われ、適度の飲酒は、ストレスの緩和やコミュニケーション媒体として良いものです。家族をはじめ同僚・友人と楽しく飲むことで、明日への活力源にしたいものです。

(2)飲酒によるトラブル

障害、痴漢、通勤途上の事故・トラブル、飲酒運転、アルコール依存症など、過度の飲酒は全てのトラブルの元です。不祥事の多くは、度を超えた飲酒後に起きがちです。また、酒の席での発言から人間関係が悪化することも少なくありません。会社生活では「酒ゆえに」は言い訳になりません。

自分の適量を自覚し、正常な意識や判断を失うことのないよう自分でコントロールしましょう。

(3)飲酒運転は犯罪行為

飲酒運転は犯罪行為です。少しでも飲んだら運転はしてはいけません。また、飲酒運転の車には同乗しないで運転をやめさせてください。


飲んだら乗るな。乗るなら飲むな。




5. 自分の身体を大切に

身体が資本です。自分の身体を大切にしましょう。

(1)朝食をしっかり摂る

社会人の基本は一にも二にも体力です。毎日欠かさず朝食を摂ることが1日の活力を生み出します。

(2)睡眠をしっかりとる

睡眠は最大の休養です。若さにまかせて夜更かしを続けると疲労がたまり、仕事の処理能力が落ちるばかりです。熟睡状態が最低4~5時間とれるように心がけましょう。

(3)適度な運動で健康づくり

過激なスポーツをする必要はありませんが、1日最低5,000歩は歩くように心がけましょう。

(4)「心の風邪」に注意する

厚生労働省が5年に一度行っている「労働者健康状況調査」(平成14年度)によると、労働者の6割強の人が「仕事や職場生活での強い不安やストレス」を感じているとの結果が出ています。

この「仕事や職場生活での強い不安やストレス」の内訳を見ると、①職場の人間関係、②仕事の量、③仕事の質、④会社の将来、⑤仕事への適正の順になっており、「仕事や職場生活での強い不安やストレス」は、「家庭生活・健康状態の悩み」よりも多い実態にあります。一方、わが国における自殺者は、平成10年以降、毎年3万人を記録しており深刻な社会問題となっています。

○ 心の風邪を予防するためには

心の風邪を予防するためには、ストレスを効果的に発散させることが大切です。

このためには日頃から次のような日常生活を送ることが望ましいと言われています。

・ 職場や家庭でのコミュニケーション機会を多く持つ

・ 喫煙・飲酒は控えめにする

・ 趣味を持つ

・ 適度な運動をする

・ バランスのとれた食事を3食規則正しく摂る

(不必要な間食をしない)

・ 適正体重の維持に心がける




6. その他のトラブルを起こさない

(1)交通事故を起こさないために

交通事故の原因は、スピード違反と飲酒運転が上位を占めています。業務外で加害事故を起こしても場合によっては懲戒処分をうけることがあり得ます。

スピードは控えめに

(2)異性との正しい交際

性的トラブルの発覚は、マスコミの格好の的となります。本人や家族のみならず会社にとっても著しい不名誉です。特に家族の悲しみや社会的に受ける傷は非常に深いことを自覚すべきであり、飲んだ勢いでみだらな行為をしないことです。

○ 痴漢行為

痴漢行為は強制わいせつ罪に該当し、最近は重大犯として刑事処分も厳しいものです。(社内処分も同様です)

○ 不倫行為

不倫行為の大半は会社に知られます。会社は「個人の問題」として関与しないだけで、業務に支障が生じるようになれば処分の対象になります。なお、不倫は民法上の不正行為です。

○ 未成年者との交際

未成年者との性的関係は、相手の同意があっても淫行条例により犯罪です(テレクラ、援助交際など)。

(3)ストーカー行為

恋愛は自由ですが、「相手の感情を読み違え(=相手が不快と思う)」つきまとい行為をすると犯罪になります。

特定の人に、つきまといなどを繰り返すストーカー行為は、ときには暴力や強制わいせつといった犯罪にエスカレートするおそれがあり、大きな社会問題になっています。

こうした状況を踏まえ「ストーカー規正法」が施行されました。

○ ストーカー行為とは

同一の人に対し、つきまといなど、次の行為を繰り返して行うことを言います。

・ つきまとい・待ち伏せ・押しかけ

・ 「見張りをしている」と告げる

・ 面会・交際の要求

・ 乱暴な言動

・ 無言電話、連続した電話、ファクシミリの送信

・ 汚物、動物の死骸などを送付

・ 名誉を傷つける

・ 性的しゅう恥心の侵害

○ 自分でできる防衛対策

・ 面会、交際の要求には、はっきり拒否の態度を示す

・ 個人情報が載っている書類は、細かく破いてから捨てる

・ 送り主の不明な手紙や届け物などは受け取りを拒否し、開封せずに送り返す。または、警察に届ける。

・ 無言電話やいたずら電話には、感情的にならず無言で切るか、「警察に訴えます」とはっきり伝えて切る

○ 被害の相談

最寄りの警察に連絡するか、または弁護士に相談してください。

被害状況を明らかにするためのポイント

・ 被害を受けた日時、場所、相手の車両ナンバー、目撃者などの細かい情報の記録

・ 相手の具体的な言葉や動作の記録







巻末資料

主な敬語の例

○ 言葉の言い替え

通常の言葉 尊敬語 謙譲語 丁寧語
いる いらっしゃる
おいでになる
おる おります
ある ございます
する なさる
あそばす
いたす いたします
行く いらっしゃる
おいでになる
お越しになる
参る
うかがう
参ります
うかがいます
行く いらっしゃる
おいでになる
おみえになる
お越しになる
参る 参ります
言う おっしゃる
仰せになる
申し上げる
申す
言います
会う お目にかかる
見る ご覧になる
ご覧くださる
拝見する
見せる お目にかける
ご覧にいれる
与える さしあげる
あげる
進呈する
献上する
あげます
もらう いただく
賜る
頂戴する
あずかる
思う 存ずる 存じます
知っている ご存じである 存じあげる
存じる・存ずる
存じあげます
食べる 召し上がる
あがる
いただく
頂戴する
いただきます
聞く うかがう
うけたまわる
拝聴する
聞かせる お耳にいれる
訪ねる いらっしゃる
おいでになる
うかがう
あがる
おじゃまする
着る 召す お召しになる
借りる 拝借する
寝る おやすみになる やすむ
引き受けた かしこまりました
うけたまわる
承知しました
気に入る お気に召す
持っていく 持参する
乗る 召される
年をとる お年を召す
死ぬ おかくれになる

○ 言葉の上か下に敬語的助詞がつくもの

 

・ 言葉の上につく

 尊敬語              謙譲語

 お~(お考え、お手紙)      (相手に対して)お~(お返事、お電話)

 おん~(御礼、御社)

 ご~(ご氏名、ご住所)

 み~(御仏)

 

 貴~(貴社、貴誌)        粗~(粗品、粗茶)

 芳~(芳名)           拙~(拙宅)

 令~(令嬢、令息)        小~(小社、小著)

 大~(大兄)           幣~(弊社)

 尊~(尊父)

 

・ 言葉の下につく

 尊敬語              謙譲語

 ~様               ~ども

 ~さん、~くん

 ~氏

 ~殿

 ~方

 ~れる              ~ていただく

 ~られる             ~させていただく

 ~てくださる

 

・ 言葉の上下につく

 尊敬語              謙譲語

 お~さま(おとうさま)      お~申しあげる(お誘い申しあげる)

 お~さん(お医者さん)      ご~申しあげる(ご案内申しあげる)

 ご~さま(ご両親さま)

 

 お~になる(お帰りになる)    お~する(お呼びする)

 ご~になる(ご覧になる)     ご~する(ご紹介する)

 お~なさる(お書きなさる)    お~いたす(お見せいたす)

 

 お~くださる(お教えくださる)  お~いただく(おほめいただく)

 ご~くださる(ご報告くださる)  ご~いただく(ご覧いただく)

 お~です(お呼びです)      ご~願う(ご覧願う)

 

○ お客さまとの言葉づかい

好ましくない例           好ましい例

「うち」「おれ」「ぼくたち」     「わたくし」「わたしたち」

「あんた」「あんたたち」       「あなた」「皆様方」

「男の人」「女の人」「〇〇会社の人」 「男の方」「女の方」「〇〇会社の方」

「へえ」「うん」「はいはい」     「ええ」「はい」

「だれですか」           「どなた(どちら)さまでしょうか」

「そうですか」           「さようでございますか」

「そうです」            「ごもっともでございます」

「わかりました」          「かしこまりました」「うけたまわりました」

「言います」            「申しあげます」「申します」

「言っておきます」         「申し伝えます」

「すみませんが」          「ご面倒ですが」「お手数をおかけしますが」

「します」             「いたします」

「もらいます」           「いただきます」

「食べます」            「いただきます」

「今すぐ来ます」          「ただいま参ります」

「ないんです」           「ございません」

「知りません」           「存じません」「存じあげません」

「できません」「やれません」     「いたしかねます」

「どうでしょうか」         「いかがでしょうか」

「お願いできますでしょうか」

「なんとかしてください」      「ご配慮願えませんでしょうか」

「どうでしょうか」         「いかがでしょうか」

「何の用ですか」          「どういうご用向きでしょうか」

「あそこでちょっと待ってください」 「あちらで少々お待ちくださいませ」

「だれを呼んできますか」      「だれを呼んでまいりましょうか」

「名前は何というのですか」     「失礼ですが、お名前は何とおっしゃるのでしょうか」

「おまちどうさま」         「たいへんお待たせいたしました」

「いま見てきます」         「ただいま見てまいります」

「いま席にいません」        「ただいま席を外しております」

「5時に戻ります」         「5時に戻って参ります」

「せっかく来ていただいたのに」   「わざわざおいでくださいましたのに」

「私どもの方で何か聞いていますか」 「私どもの方で何かうけたまわっておりましたでしょうか」

「え?何ですか」          「もう一度おっしゃっていただけませんでしょうか」

「知っていますか」         「ご存じでしょうか」「おわかりでしょうか」

「東京に参られたのはいつですか」  「東京にいらっしゃったのはいつですか」

「課長の申されることに賛成いたします」「課長のおっしゃることに賛成いたします」

「社長も『よろしく』とおっしゃっています」 「社長も『よろしく』と申しております」

「電話するように申しあげておきます」 「電話するように申し伝えます」

「ちょっと声が遠いのですが」    「少々お電話(お声)が遠いのですが」

「お忙しいところ悪いんですが」   「お忙しいところあいすみませんが」

                  「お急ぎのところ申し訳ありませんが」

「すみませんが、後でお電話ください」「まことに恐れ入りますが、のちほど電話して

                   いただけないでしょうか」

「こちらから行きます」       「こちらから参り(おうかがいし)ます」

「来てください」          「おいでください」「お越しください」

「もう一度来てください」      「もう一度ご足労願えないでしょうか」

「早くしてください」        「お早く願います」

「なんとかしてもらえませんか」   「ご配慮願えませんでしょうか」

「いつ帰ってきますか」       「いつお帰りになりますか(でしょうか)」

「どうぞ入ってください」      「どうぞおあがりください」

「どうもすみません」        「申し訳ございません」「失礼いたしました」

「とんでもありません」       「とんでもないです(とんでもないことでございます)」

「いいですね」           「たいへん結構でございます」

「ほかの物を見せましょうか」    「ほかの物をご覧に入れ(お目にかけ)ましょうか」 

「すみません、ないんです」     「恐れ入ります、ただいまあいにく切らしております」

「10日ほどかかりますがいいですか」 「10ほどかかりますが、ご都合はよろしゅうございますか」

                  「10日ほどお待ち願いたいと存じますが、いかがでしょうか」

「何かわからないことがありましたら言ってください」「何かおわかりにならない点がおありでしたら、おっしゃってください」

 

○ 時候の挨拶例

1月 初春の候・厳冬の候・大寒の候・酷寒の候

2月 余寒の候・残寒の候・晩冬の候・春寒の候

3月 浅春の候・春暖の候・浅香の候・浅暖の候

4月 仲春の候・晩春の候

5月 若葉の候・薫風の候・青葉の候

6月 麦秋の候・初夏の候・立夏の候・向夏の候

7月 酷暑の候・炎暑の候・極暑の候・大暑の候

8月 残暑の候・晩夏の候・暮夏の候・早涼の候

9月 新秋の候・早秋の候・新涼の候・秋涼の候

10月 仲秋の候・清秋の候・長秋の候

11月 暮秋の候・紅葉の候・初霜の候・向寒の候

12月 初冬の候・寒冷の候・師走の候・歳末の候

 

 

 

 

 

 

 

 

わやかマナー

~より良い人間関係と信頼される企業を目指して~

2000年 1 月1日 第1版発行

2006年12月1日 第8版発行

発行 社団法人 情報サービス産業協会(JISA)

   〒135-8037

   東京都江東区青海2-45 タイム24ビル17階

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